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古賀紗理那が右手に込めたスパイカーの責任 現役最終戦が近い今、号泣した背中を囲んだ信頼の輪

パリ五輪は3日、バレーボール女子1次リーグB組最終戦で世界ランク7位の日本が同20位ケニアに3-0でストレート勝ちした。今大会1勝2敗でグループ3位が確定。決勝トーナメント(T)進出にわずかに望みをつないだ。4日の米国―フランス戦の結果で進出可否が確定。今大会限りで引退する古賀紗理那の現役生活を左右する。チーム最多16得点を挙げた主将は、仲間の支えを感じながらスパイクを打っていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

バレー女子日本代表を率いた古賀紗理那【写真:FIVA提供】
バレー女子日本代表を率いた古賀紗理那【写真:FIVA提供】

パリ五輪

 パリ五輪は3日、バレーボール女子1次リーグB組最終戦で世界ランク7位の日本が同20位ケニアに3-0でストレート勝ちした。今大会1勝2敗でグループ3位が確定。決勝トーナメント(T)進出にわずかに望みをつないだ。4日の米国―フランス戦の結果で進出可否が確定。今大会限りで引退する古賀紗理那の現役生活を左右する。チーム最多16得点を挙げた主将は、仲間の支えを感じながらスパイクを打っていた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 操り人形の糸が切れたように、その場で力なく泣き崩れた。

 最初は気丈に振る舞っていた試合直後。チームで集合写真を撮り終えた時だった。古賀は両膝をつき、立ち上がれない。コートに突っ伏して泣いた。

「今日はキャプテンとか考えず、バレーボールが大好きな古賀紗理那として戦いました」

 1セットでも獲られたら敗退が決まる崖っぷち。しかも現役最後の試合になる。愛するバレーボールの一つひとつを、夢の舞台で噛み締めた。エースとしてアタックに、ブロックに、そして声で懸命に盛り上げた。絶対条件のストレート勝ちを収め、現役生活の“延長”に希望を繋いだ。

「今日勝って最後かもしれないし、最後じゃないかもしれない。厳しい戦いが続いて、チームとしてもきつかったけど、みんなで気持ちを立て直して勝つことができて良かった」

 初出場だった2021年東京五輪、初戦のケニア戦で右足首を負傷した。苦悶の表情でコートに這いつくばり、スタッフに抱えられながら会場を去った。大会中に復帰したが、日本は予選ラウンド1勝4敗の全体10位。母国開催でメダルは遠く彼方に消えていった。

 パリ五輪へ向け、2022年に主将就任。一時は代表から離れる選択肢も浮かんだが、日の丸のために戦うと決めた。「ケニア戦がフラッシュバックする」。悪夢がよぎるネット際のプレー。最大限の注意を払いながら跳び続けた。

 五輪で3試合連続のチーム最多得点を挙げた今、自分のプレーに集中できる理由がある。28歳、メンバー12人の中に年上は3人。

「年上の選手が増えたのは本当に助かっている。去年までは『私がしないと』という気持ちが強かったけど、今年は助けてくれる人がたくさんいる」

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