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中国斬り寸前で蘇った張本智和の言葉 帰化から10年、他人を認めない「ネットの声」の受け流し方

境遇に悩む子たちへ「物事を認めない人もいます。でも…」

 傷ついた時期は「試合に負けるよりはマシ」と意識を卓球台だけに向けた。周りから可愛がられるちょっといたずらっぽい性格。

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「直接、嫌なこと言われたことは本当に一回もないですよ。まあ、裏ではわからないですけどね(笑)。みんな最初から温かい気持ちで接してくれる。僕の親が中国人だと全く感じないくらいスムーズに生活してこられた」

 鬼神のごとく気迫を出して戦ったコート上とは一変。同じような境遇で悩んでしまう子どもたちへ、メッセージを送ってくれた。

「ジェンダーのことだったり、いろんな『人』『事』を国際的にもどんどんと受け入れてもらえる中で、そういうことを認めていない人もまだまだいます。でも、気にせず、自分が納得して気持ちよく過ごすことが大切。自分が正しいと思うことをすればいいと思います。

 何をしても言ってくる人もいます。例えばですが、挨拶をしただけでも『挨拶してくるな』と言う人もいる。自分が100%良いことをしても、悪いことを言う人がいる。本当に気にせず、自分が正しいと思うことをしっかり一生懸命頑張ればいいんです」

 19歳でここまで言えることが素晴らしい。もちろん「多様性」とは“全てを受け入れろ”と押しつけることではない。ただ、もう少し他人を認めてみることも必要ではないか。

 パリで世界王者をあと一歩まで追い詰めた激闘。敗戦直後、悔しさを残しつつ、清々しく握手を交わす姿を見ると、当時の言葉が改めて胸に刺さった。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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