【惜別手記】闘莉王、日本国籍の取得決意は「能活さんがプレーする代表に憧れて」
GK出身の名監督が出てきてもいいタイミング
南アフリカワールドカップに(当時の代表監督だった)岡田(武史)さんは能活さんを精神的な支柱として招集したと語っていましたが、その理由がよく理解できました。今回のロシアワールドカップをテレビで見ていましたが、画面から伝わるベンチの選手の表情と比較して、南アフリカ大会のチームとしての強烈な一体感は、どんなチームとも比較できないほどなのだ、と改めて感じました。
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その理由は能活さん、俊輔さん(磐田MF中村俊輔)、ナラさん(名古屋GK楢崎正剛)らベテランの存在だったと思います。あれだけの実績、経験、数字を残した人間がベンチでチームを支えることは簡単ではありません。嫌な顔一つせずにチームを引っ張ってくれました。ベンチにいても、「自分に出来ることはないのか?」とサポートに徹していたように感じます。自分が同じ立場だったら、試合に出られない悔しさがまず出てしまうと思います。
それでも、チームの勝利のために、自分たちが子供の頃から憧れていた選手たちがエゴを捨てているのです。あそこまでできる人たちはなかなかいません。ああいう人たちがいなければ、南アフリカ大会開幕直前にボロボロだった日本代表が立ち直ることはなかったでしょう。
個人的には能活さんやナラさんには、日本トップの指導者になってほしいと願っています。あれだけサッカーを知っている人たちはいないし、GKコーチという枠に収まってほしくありません。そろそろ日本でもGK出身の名監督が出てきてもいいタイミングだと思います。能活さん、本当にお疲れ様でした。
(京都サンガF.C. DF田中マルクス闘莉王)
(THE ANSWER編集部)