天才ドリブラーの金言 世界で通用する“技”を身につけるために必要なこと
重要となる選択と判断力
「僕から特に言うことではないですけど、僕は指導者の方や色々な人に言うことは、あんまり答えを与えすぎないほうが良いです。こうしろ、ああしろというんじゃなくて、子供たちが自分たちで自発的に考えて、選択することが僕は大事だと思います。こうやれと言ったらその通りにやると思うし、これやっちゃダメと言えばやらなくなるし。そうじゃなくて、自分たちで考えて行動して、それで失敗したら次どうすればいいか、そこの選択肢を子供たちに与えた方がいいと思う。
だから僕は、トレーニングの時はそういう風にしています。答えを言わないで、まずやらせて、トライ&エラーじゃないですけど、失敗したらじゃあ次どうすればいいか。そこからシュートを打つなといったら打たなくなる。打たせて、結果外れた。じゃあどうすれば良かったのか、他にもっといい選択肢があったんじゃないか、という選択肢を子供たちが自分で考える。サッカーは自分で考えなければいけない。そういう選手が上達していくんです。試合中は監督がいちいち指示が出来ないですから。ボールが来たら自分でその場でどうすればいいか、判断しなければいけない。その判断する力を子供たちには身につけてもらいたいと僕は思っています」
サッカーのゲームにおいて同じシチュエーションは訪れない。選択、判断の連続。ドリブルを仕掛ける時も、自分の置かれた状況、守備との距離や相手選手の重心など多くの情報をいち早く収集し、見極め、最良の選択をしなければいけない。足先のテクニックだけでなく、考える力を養ってこそ世界で通用する選手へと育っていく。それが前園氏の考えだ。世界で通用するドリブラーを目指すなら、その言葉を実践していくことも重要なポイントとなるに違いない。
【了】
ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer
ダノンネーションズカップ2016●写真 photo by DNC2016