一番小さなプロ野球選手、滝澤夏央が超えたい「あまりにも大きな存在」 時間が経つほどわかる“怖さ”
いつか超えたい「あまりにも大きな存在」源田の姿から感じたこと
源田の存在の大きさを感じるのは、守備の時だけではない。このインタビュー前日の6月11日、西武は広島に1-2で敗れ8連敗を喫した。最後の打者となった源田は一塁に頭から飛び込み、アウトになるとそのままなかなか顔を上げられなかった。ベンチで見ていた滝澤の心にも突き刺さった。
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「源さんは本当に僕らがやりやすいように、ずっと声をかけていてくれるんです。その上、結果も出さないといけない立場でプレーしている。本当にカッコいい、すごいと思う一方で、自分がもっともっとやらないといけないと思います」
体の小ささを長所に変えるには守備だと気づいた中高生時代、見たこともない守備範囲とボールさばきを見せる源田に目を奪われた。そのまま同じチームでプレーすることになり、源田のポジションを奪うことが目標となった。
「自分はいつか、ショートのレギュラーとして出たいと思っています。あまりにも源さんは大きい存在ですけど……」
大きな選手にパワーで圧倒され「現実を感じました」という新潟・関根学園高時代には「夢はプロ野球選手だって、言ってもいいのかな?」と思ったこともある。ただそこで「諦めかけはしたかもしれませんが、諦めはしなかった」といえるハートの強さも、滝澤が秘める大きな武器だ。
苦しいシーズンが続く西武には、どんな時も諦めず、雰囲気を変えてくれる若手選手の台頭が不可欠。今季は三塁での出番が多い滝澤は、隣のポジションから源田を見つめながら、超える方法を見つけ出そうとしている。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)