戦力外通告から3年、元ドラ1が2軍球団で再浮上のワケ 吉田一将が語る独立リーグとの“違い”
強打者は独立より多いが…「崩したときの“リターン”も」
オリックスでの最終年となった2021年は1軍登板がなく、2軍でも防御率7.66。オフに戦力外通告を受けた。翌年飛び込んだBCリーグでは2022年こそ36試合で1勝13セーブ、防御率2.48と好投したものの、昨季は38試合で3勝3敗1セーブ、防御率4.74。苦しくなっていく投球に、NPB2軍への参加という環境の変化が好影響を及ぼしたという。
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オイシックスは、新潟から首都圏や仙台への移動をバスで行う。前泊するわけでもなく、連戦初日はまだ暗いうちに集合して、仮眠をとりながら移動する。シーズンが深まればどうしても疲労がたまる。どれだけ効率的に準備するかがリリーフ投手の生命線になるが、吉田は「経験は積んでますからね。ブルペンでの投球が少なくても、マウンドに立てるようになっていますし」。現在では15球も投げれば、試合で投げられる状態になるという。
独立のBCリーグよりも、NPB2軍の方がレベルは高い。これは吉田もはっきりと実感している。「スピードだったり、打たれたときの飛ばされ方だったりはやっぱり違います。ただそこで、相手を崩したときの“リターン”も大きいのがNPBだと思います」。吉田の武器は強い直球とフォークボール。長打を狙える打者が多いということは、崩しがいもあるというのだ。よりNPB1軍に近い環境で、結果を出し続ける。
DeNAや巨人で投げた三上朋也と並び、今年35歳は投手最年長。積んできたキャリアからいっても若手にとってはお手本となる存在だが、まずは自身のNPB復帰に集中している。昨オフ、新潟の2軍参加を聞いたときは「なんでも初めてというのは経験できるものではない。貴重な財産になる」と思い残留した。NPBの新戦力獲得期限は7月末。残り1か月強で、よみがえった右腕に朗報は届くか。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)