SNS中傷をノコノコブームに変えた“神対応” 広島・山崎稜が脇役扱いから優勝の主役になるまで【Bリーグファイナル】
山崎「改心して大ファンになってくれたので感謝している」
とはいえ、気分を害してもおかしくない意見。明るい“返し”にファンから好意的な反応が続出した。猛省したhiroさんは謝罪。山崎は寛容に受け入れた。この“神対応”をきっかけに、いつしか広島ブースターの間ではノコノコブームが発生。ネットではぬいぐるみが完売で買えないという声まで上がった。本人もぬいぐるみを持参して会場入りするなど、気付けばノコノコは山崎の代名詞となった。
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CSに入ってから山崎は覚醒。3Pは8試合で50本中28本を沈めた。レギュラーシーズンで35.5%だった成功率は56.0%に上昇。CSのMVPにまで輝いた。優勝後の会見で一連の騒動を振り返った山崎は、柔らかな笑顔を浮かべてこう口にした。
「投稿を見た時は、まさか自分が広島の顔として使われるとは思ってなかったですし、本当に『ごめん!』と思いました。まさかこんな風にちょっとしたバズりをするとは思ってなくて。結果としてノコノコブームに火をつけてくれましたし、今となってはその方も改心して僕の大ファンになってくれたそうなので、そこは非常に感謝しています」
当のhiroさんはTHE ANSWERの取材に対し、「元々は選手を公の場であるSNSで批判するという愚かな行いから始まったことでしたが、山崎稜選手のおかげでこのように綺麗な形で締め括ることができました。少しでも広島ドラゴンフライズの盛り上がりに貢献できたなら幸いです!!」と回答した。否定的な声さえもポジティブな力に変えた山崎。間違いなくCSにおける広島の顔であり、主役だった。
■山崎稜(やまざき・りょう)
1992年9月25日、埼玉県生まれ。埼玉・昌平高卒業後、井上雄彦氏が創設したスラムダンク奨学金の第4期生として11年に米サウスケント・スクールに留学。12年にタコマコミュニティ大に進学後、13年に埼玉ブロンコスに加入。富山グラウジーズ、栃木/宇都宮ブレックス、群馬クレインサンダーズを経て、23-24年シーズンから広島ドラゴンフライズに移籍した。今年のCSでは3P成功率56.0%を誇り、8試合中7試合で2桁得点を記録。CSのMVPに選出された。ポジションはSG。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)