SNS中傷をノコノコブームに変えた“神対応” 広島・山崎稜が脇役扱いから優勝の主役になるまで【Bリーグファイナル】
初優勝の裏には、ネガティブな声をポジティブな空気に変えたMVPの働きがあった。バスケットボール男子B1リーグの年間優勝を決めるBリーグファイナル。広島ドラゴンフライズは琉球ゴールデンキングスを2勝1敗で制した。リーグ創設8季目で昇格チームによる初のB1制覇。その裏では、チャンピオンシップ(CS)MVPに輝いた山崎稜の“神対応”がきっかけで、ファンの間であるブームを起きていた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
日本生命 B.LEAGUE FINALS 2023-2024になぜ「ノコノコ」が?
初優勝の裏には、ネガティブな声をポジティブな空気に変えたMVPの働きがあった。バスケットボール男子B1リーグの年間優勝を決めるBリーグファイナル。広島ドラゴンフライズは琉球ゴールデンキングスを2勝1敗で制した。リーグ創設8季目で昇格チームによる初のB1制覇。その裏では、チャンピオンシップ(CS)MVPに輝いた山崎稜の“神対応”がきっかけで、ファンの間であるブームを起きていた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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のほほんとした黄色と緑のキャラクターが、横浜アリーナの客席で揺れた。任天堂の名作ゲーム、マリオシリーズに登場する「ノコノコ」だ。ぬいぐるみはもちろん、お手製のイラストボードを持つ人も。山崎の3ポイントシュート(3P)が美しい弧を描いてリングを射貫くと、ノコノコを手にしたブースターは一段と盛り上がりを見せる。初優勝を果たした広島の快進撃を象徴する光景だった。
ブームのきっかけとなったのは山崎に対する“中傷”だった。Bリーグ公式Xは5日、CS出場8チームの決定を知らせるポストに、各クラブ1選手の写真を採用。広島からは山崎が起用された。これに広島ブースターのhiroさんが「なんでウチのチームの写真が山崎なんだふざけんなよw」と異論を投稿。「マリオの新作買ったら表紙がノコノコだったときくらいのガッカリ感だわ」と続けた。
ノコノコはいわゆる脇役。主役には程遠い存在だ。現在投稿は削除されているが、批判的な声は本人の目にも留まった。山崎は「それはごめん まさか俺も自分だなんて思ってなかった笑」と返信。群馬から移籍1年目。最初の2試合は3Pを合計11本放って1本も入らなかった。「ファンをがっかりさせてしまった」。主力としてCS進出に貢献しても、まだチームの顔には相応しくないと感じていたからこその言葉だった。