高橋藍が口にした「日本でバレーをやる意味」 報道陣96人、平日に視聴者3000人を集めた人気者の夢
バレーボール男子日本代表の高橋藍が28日、都内で入団会見に登場した。イタリアリーグ1部・モンツァから国内Vリーグ1部王者の強豪サントリーに移籍。今夏のパリ五輪、10月からスタートする国内最高峰の「SVリーグ」でも活躍が期待される。単年契約で、契約金などは非公表。世界を知る22歳は、なぜこのタイミングで国内リーグ初参戦を決めたのか。何度も口にしたのは「バレーボールを夢のあるスポーツにしたい」という想いだった。
サントリー入団会見
バレーボール男子日本代表の高橋藍が28日、都内で入団会見に登場した。イタリアリーグ1部・モンツァから国内Vリーグ1部王者の強豪サントリーに移籍。今夏のパリ五輪、10月からスタートする国内最高峰の「SVリーグ」でも活躍が期待される。単年契約で、契約金などは非公表。世界を知る22歳は、なぜこのタイミングで国内リーグ初参戦を決めたのか。何度も口にしたのは「バレーボールを夢のあるスポーツにしたい」という想いだった。
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平日の午前10時に始まった入団会見。報道陣96人、ライブ配信の視聴者3000人を集めた。背番号12のユニホーム姿も初披露。「サントリーは世界一を目指せるチーム。一員として戦えることが楽しみ」。爽やかな笑みに、闘志も宿らせていた。
2020年に高校3年生ながら日本代表に初選出され、21年東京五輪にも出場。高い守備力を強みとするオールラウンダーで、端正なルックスも備わり日本バレー界では屈指の人気を誇る。2021年から3季に渡ってイタリアでプレーし、23-24年に所属したモンツァでは主力としてイタリアリーグ1部で準優勝を果たすなど、異国でも結果を残してきた。
トルコ、ポーランドでのプレーも選択肢にあったが、自身の成長を考えて日本の「SVリーグ」を選んだ。「日本のリーグを経験したいという海外の選手がすごく多い」とその価値を実感する一方、「世界的に見ればバレーボールはすごく人気が高いスポーツだとヨーロッパにいて感じた」と欧州との人気面の違いも肌で感じている。
男子日本代表は昨年のパリ五輪最終予選で、16年ぶりとなる自力での出場権を獲得。昨年のネーションズリーグでも3位になるなど、世界トップを争える実力を持つ。ただ、国内リーグにおいては野球、サッカーなどに比べるとまだまだ発展途上にある。
「子どもたちの目は純粋。『バレーボールをしていることで、これだけのことができる』『夢があるな』と子どもたちが思えるスポーツにしていきたい。それが日本でバレーボールをやることの意味でもある」
高橋の想いを汲み、獲得した栗原GMは金額こそ明かさなかったものの「バレーボール選手という職業に、夢を持ってもらえるようなオファーを出した」「他のプロスポーツに引けを取らない額を提示したと思っている」と誠意を示した。ともに世界一のクラブを目指す。
高橋は「日本一と世界一を目指すことが一番」としながらも、「バレーボールを盛り上げたいし、世界や国内の方に知っていただくことは自分が貢献できること」と競技普及への思いも強い。パリ五輪でつけた勢いを、そのまま「SVリーグ」へ。日本バレーの盛り上げに、高橋の存在は欠かせない。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)