日本人なら憂鬱な満員電車も「興味深い」 NPB目指すスイス23歳、異文化にこんなにも意欲的な理由
プロ野球・NPB入りを目指し、日本の独立リーグに飛び込んだスイス人がいる。今月6日から2日間、京セラDで行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に欧州代表として出場したノア・ウィリアムソン外野手だ。さわかみ関西独立リーグの兵庫ブレイバーズに今季から加入。来日してまだ3か月ほどだが、キャリアの最後まで日本でプレーすることを望み、努力を重ねている。京セラDで「THE ANSWER」の取材に応じた23歳のインタビューを前後編でお届けする。後編は日本文化への順応について。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
欧州代表として侍ジャパンと対戦したノア・ウィリアムソン
プロ野球・NPB入りを目指し、日本の独立リーグに飛び込んだスイス人がいる。今月6日から2日間、京セラDで行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本vs欧州代表」に欧州代表として出場したノア・ウィリアムソン外野手だ。さわかみ関西独立リーグの兵庫ブレイバーズに今季から加入。来日してまだ3か月ほどだが、キャリアの最後まで日本でプレーすることを望み、努力を重ねている。京セラDで「THE ANSWER」の取材に応じた23歳のインタビューを前後編でお届けする。後編は日本文化への順応について。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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「おつかれさまです」
お気に入りの日本語を聞いてみると、軽くお辞儀しながら滑らかに発音した。来日から約3か月。「どんな状況でも使えるよね。姿を現す時でも去る時でも、どんな時でも使える。そんなフレーズは今までなかったよ」。米国人の父とスイス人の母を持ち、英語とフランス語を流ちょうに操るウィリアムソンにとって驚くほど便利な言葉だった。
英語とフランス語を使いこなすが「日本語の方が難しいね。すでにひらがなの読み方は学んで、カタカナもいい感じ。でも漢字は『ベリーむずかしい』」と笑う。日本語学校に通い、少しずつトリリンガルへの道を歩んでいる。お気に入りのラーメン屋さえも“教室”だ。
「ラーメンと餃子が大好きなんだ。グラウンドのすぐ隣にラーメン屋さんがあって、店員さんは僕が行くといつも大げさに騒いでくれる。ファンタスティックだよ。彼らと話せることも大きな助けになっている。トライするんだ。失敗を恐れちゃいけない。言葉を学んでいるときは、周りのみんなも『おー、トライしているんだね』といつも助けてくれるんだ。素晴らしいよ」
チームメートの助けも借りつつ、それ以外の人とも積極的に日本語で交流を図る。日本社会に「出来る限り浸ろうとしているんだ」。三田市内の住まいから球場へは同僚の車に同乗するが、ジムに通うときは電車移動。「電車に乗るのが大好きなんだ。米国ではそれほど公共交通機関がないからね。ここのはとても安くて、数も多い。本当に好きなんだ」。満喫する姿勢は満員電車でも一緒だ。