侍Jの相手コーチ、22年前に日本の社会人野球で学んだ「G.I.N.K」の意味 今も帽子に刻む“信念”
「バントを使って優勝しました」 オーストリアでは日本流の戦略
2019年からオーストリアの1部リーグに所属するダイビング・ダックスで監督を務めている。創設から35年間優勝がなかったチームを、就任1年で王座に導いた。翌年はプレーオフ進出、3年目の昨季は王者返り咲きと好成績を続ける。「基本的に、私たちはバントを使って優勝しました」。練習法や思考法だけでなく、戦略面でも日本流を交える。
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指導者として、自分の持っているものを惜しげもなく選手に伝える。ブラジル時代にはキューバ人コーチや、メジャー通算2340安打のバリー・ラーキン氏らの教えを受けた。「キューバ、日本、米国などから情報を得てきました。今はそれらを全てミックスした上で、フィルターを通して各選手にとって一番いいことを抽出したいと思っています」。個々の選手の個性に合わせた指導を心がける。
「精神的なことをいくら言っても、身体的に準備ができていなければいけません。いい体を作り、いい習慣を作って、努力を重ねる。そうすれば強い精神力もついてきます。自信がつきますからね。私のゴールはバランスを見つけること。ここはやりすぎないように、あそこは足りてないからもう少し、とね。同じ人はいません。基本は全員に教えられますが、それ以降は選手によって違うことをしないといけません」
日本で学んだ野球哲学。カマルゴコーチは自分流にアレンジしながら、欧州の野球発展のために尽力を続ける。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)