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批判覚悟で五輪メダリストが選ぶ「休養」の効果 メディア露出で競技普及、昔はTV出演のために引退も

大会ごとに新しい五輪競技が生まれ、子どもたちの選択肢も増加

「現役タレント選手」の先駆けは、レスリングの吉田沙保里だろう。日本レスリング協会は、もともと選手のメディア露出に積極的な協会。五輪で圧倒的な強さを見せながら、タレント力も抜群な「霊長類最強女子」は、バラエティ番組に引っ張りだこだった。競技だけでない活躍で、レスリングの人気は沸騰した。多くの女の子が吉田を目指した。日本の女子レスリングが今も世界のトップにあるのは、吉田の功績と言ってもいい。

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 大会ごとに新しい五輪競技が生まれ、子どもたちの選択肢は増える。少子化の影響もあって、どの競技も選手数はじり貧。将来を考えれば、いかに今まで競技を知らなかった層に認知してもらうかが重要になる。

 東京五輪男子ハンドボール日本代表主将の土井レミイ杏利は「レミたん」としてTikTokで710万人のフォロワーを誇る。しかし、競技の動画は極端に少ない。「ハンドボールをやっている人ではなく、知らない人に見てほしい」と、あえて普及のために「おもしろ動画」をあげる。知らない人、興味のない人をいかに取り込むか。競技に特化した配信をしないことが、結果的に新規ファンの獲得につながる。

 SNSや動画配信で、見たいと思えば競技をライブで見られるようになった。ただ、興味を持つきっかけとして、不特定多数が見るテレビの力は大きい。もちろん、競技力の向上は重要だが、それだけでは競技の将来はない。まずは認知され、注目されること。休養してテレビに出まくったウルフやエブリンがパリ五輪で活躍すれば、競技普及のために後に続く現役選手も出てくるだろう。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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