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合格率5%の米難関スタンフォード大卒 ハンガリー出身、バスケ川崎アレンが乗り越えた“英語の壁”

英語習得のために「本をたくさん読んだ」

――12歳でお父さんの母国であるアメリカに移住し、私立の進学校に進んだと聞いています。ハンガリー語と英語はかなり異なる言語ですが、どのようにそれを習得されましたか?

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「ハンガリーにいる時から家では英語で話していたので、日常会話は問題ありませんでした。ただ、学校の授業についていくのは最初は大変でしたね。数学は数字や記号が同じだからそれほど問題なかったけれど、国語の授業や書き取り、専門用語の理解には苦労しました」

――その壁をクリアするために、特に取り組んだことはありますか?

「本をたくさん読みました。図書館に行ってライブラリアン(司書)と仲良くなって、『この本はこういうところが面白かった』『この本はここが好きじゃない』というような話をしながら、いろんな本を勧めてもらいました。当時は人間をテーマにしたフィクション作品が好きで、SFはあまり好きじゃなかった。面白い本は数日で読み終わるし、面白くない本や難しくない本も途中で投げ出さず、時間をかけて最後まで読んでいました。そういう性格なんです」

――読書は今もしますか?

「アウェーの時は移動中や宿泊先でできるだけ読むようにしています。本当は家でも読みたいけれど、娘もいるし、なかなか時間が取れません。今も持っていますよ(と言ってカバンから取り出す)。著名な経営者が人生で学んだことを書いた本ですが、内容がエゴイスティックすぎてあまりオススメはしません(笑)。ただ、学校に通って毎日新しいことを学ぶというような環境ではなくなった今は、1冊読んで、そこから2、3個でも面白いと思うことや新しいことを学べたら『いい本だったな』と思うようにしていますね。本から学びを得ることは、僕にとって1つのライフワーク、ルーティンになっています」

――日本に限らず、子供たちの読書量が減っています。子供たちに読書で得られるものについてメッセージをお願いします。

「先ほども話したように、15年前くらいまではよくフィクション作品を読んでいました。作者の設定はもちろんあるけど、それでもなお自分の頭の中でいろいろなことを想像しながら物語を膨らませて、自分の世界に入り込めるのが本の良いところだと思っています」

■ロスコ・アレン(Rosco Allen)

 1993年5月5日生まれ、ハンガリー・ブダペスト出身。12歳で渡米後も文武両道を貫き、難関のスタンフォード大でバスケットボール選手として活躍した。卒業後はスペインでのプレーを経て、2018年に島根スサノオマジックに加入。2019-20シーズンは群馬クレインサンダースに在籍し、208センチの長身を生かしたプレーでB2リーグ平均24.0得点を記録した。新潟アルビレックスBBで3シーズンを過ごし、今季から川崎ブレイブサンダースに加入。ここまでチーム2位の平均得点をマークしている。

[川崎ブレイブサンダース公式サイト]
https://kawasaki-bravethunders.com/

(青木 美帆 / Miho Aoki)

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