日本人に「我々を好きになってもらいたい」 情熱溢れる野球オーストラリアSNS担当者の真意
アジアプロ野球チャンピオンシップが16日、東京ドームで開幕した。若き侍ジャパンも出場するこの大会。オープニングゲームではオーストラリアが韓国と接戦を演じるも延長10回に2-3でサヨナラ負けを喫した。白熱した試合が始まる数時間前、SNSを通して日本でのオーストラリア熱を高めようと奮闘する担当者に、伝えたい思いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)
カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023
アジアプロ野球チャンピオンシップが16日、東京ドームで開幕した。若き侍ジャパンも出場するこの大会。オープニングゲームではオーストラリアが韓国と接戦を演じるも延長10回に2-3でサヨナラ負けを喫した。白熱した試合が始まる数時間前、SNSを通して日本でのオーストラリア熱を高めようと奮闘する担当者に、伝えたい思いを聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久真大)
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「私たちはあなたたちを愛しています、日本! 私たちのチームをサポートしていただきありがとうございます」
試合開始の約20分前、オーストラリア代表の公式X(旧ツイッター)は、豪州グッズを身にまとったファンの写真と共に日本語でこう投稿した。来日前からたびたび日本語を活用。公式サイトではメンバー全員のプロフィールも日本語で作成した。
「日本にもたくさんファンがいるのを私たちは知っています。私たちは日本の人たちが本当に好きで、彼らにも私たちのことを好きになってもらいたくて日本語で投稿しています」
そう語ってくれたのは、SNSの運用や動画配信、コンテンツ作成などの責任者を務めるエリック・バルナー氏。「日本のメディアの人たちとお話できるのは嬉しい限りです。オーストラリアの野球について、喜んで共有したいと思っています」と気さくにインタビューに応じてくれた。
日本人の友達3人の助けを借りつつ投稿。「ChatGPTを使う時もあります。ロボットっぽく思えるときはそのせいですね」と笑う。26人分のメンバー紹介は「私が(英語で)書いて、それを友人に送って翻訳してもらったんです」という力作。「日本の人たちに我々の選手について知ってもらうためのいいアイデアだと思ったんです。特別な選手たちですから」と熱が入る。
3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の際に初めて来日したというバルナー氏。「すぐに日本の人たちがオーストラリアの野球が好きなこと、そしてオーストラリア人が日本の人たちを好きなことに気付きました。フレンドリーな関係ですね」。日本のファンから浴びた声援のおかげで異国でも「ホームのように感じた」と振り返る。
今大会で、さらに日本のファンとの距離を縮めることを目指す。日本語を活用するだけではなく、選手に好きな日本食をインタビューするなど、親近感が湧く動画を積極的に配信。担当者としてSNSを通して盛り上げを図る一方、主戦場であるグラウンドでも観客を魅了できると自信を見せる。
「我々が野球を深く大切にしていることを示したいです。全員がいい状態で臨んでいるので、チームはそれについていい仕事をしてくれると思っています。我々が日本にいられるのが大好きなこと、そして優れた野球チームであることを知ってもらいたい。勝ち負けにかかわらず、プレーでそれを提示できると思っています」
SNSで流れてくる“たまにロボットっぽく思える”日本語投稿の裏には、担当者の両国への熱い思いと愛情があった。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)