「英語力」はバスケ選手の財産 海外経験ゼロのBリーガー飯田遼、語学習得につながったプロの日常
バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、前身の東芝時代の栄光を受け継ぐ国内屈指の強豪クラブ。熱狂的なファンがアリーナをブレイブレッドに染め上げ、チームは毎シーズン優勝争いを展開している。そんな名門のリアルな姿に、選手のインタビューやコート内外のストーリーで迫る連載。第2回では、今季チームに加入した28歳・飯田遼の素顔に迫った。新天地で早くも“コミュ力”を発揮しているが、後編では英語力の高さの秘密を探る。海外への留学やプレー経験がない中で、どのようにして能力を磨いてきたのか。その根底には学生時代からの着実な努力と、プロ入り後に発揮された積極性があった。(取材・文=青木 美帆)
連載「川崎ブレイブサンダースNOW」第2回、飯田遼インタビュー後編
バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、前身の東芝時代の栄光を受け継ぐ国内屈指の強豪クラブ。熱狂的なファンがアリーナをブレイブレッドに染め上げ、チームは毎シーズン優勝争いを展開している。そんな名門のリアルな姿に、選手のインタビューやコート内外のストーリーで迫る連載。第2回では、今季チームに加入した28歳・飯田遼の素顔に迫った。新天地で早くも“コミュ力”を発揮しているが、後編では英語力の高さの秘密を探る。海外への留学やプレー経験がない中で、どのようにして能力を磨いてきたのか。その根底には学生時代からの着実な努力と、プロ入り後に発揮された積極性があった。(取材・文=青木 美帆)
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
◇ ◇ ◇
プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」は、チームの構成人員に対して帰化やミックスを含む英語話者の割合が高いリーグだ。B1に所属する24チームのうち10チームで外国人ヘッドコーチが指揮を執っており、コートでプレーする5人のうち3人の第一言語が英語というチームも珍しくない。
狭いコートをアスレチックに動き回りながら、選手それぞれのフレキシブルな判断でプレーが構築されるバスケットボール。一瞬の連係ミスが命取りになるこの競技において、選手間の意思疎通の重要度は非常に高い。英語を話せる日本人選手が持つアドバンテージは言わずもがなだろう。
前回の記事で紹介した通り、川崎ブレイブサンダースに今季新たに加入した飯田遼は、コミュニケーション力の高さでチームに新しい風を吹かせる存在だ。そして、飯田の“コミュ力”は日本人だけでなく海外出身者にも通用する。彼は英語が堪能なのだ。
英語圏にルーツがあるわけではない。語学留学やホームステイの経験もない。それどころか国外に出たことすらない。しかし飯田は「語彙力がないので喋るのはそこそこですが、聞くのは全然問題ないです」と話し、26歳にして長いコメントをメモ1つ取らず完璧に訳す渥美雄大通訳が「なんの問題もない」と太鼓判を押すレベルで英語を操ることができる。
なぜ英語が堪能なのか。そう尋ねると、飯田は学生時代から遡って話をしてくれた。
「中学時代から英語がすごく好きではありました。理由は『なんとなくかっこいい』『英語の先生が好き』みたいな本当に単純なことでしたけど(笑)。拓殖大学では外国語学部英語学科で英語漬けの毎日でした。バスケ推薦のお話をいただいたけれど、対象となる学部にあまり興味を持てなかったので、高校の指定校推薦を使ってここの学科に進学したんです。大学に行くのであれば、しっかり勉強しなきゃいけないと思っていたので」