元BC茨城の市毛孝宗、チェコリーグへ移籍しての生活はどうだった？

　今年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で、大きな話題となったのがチェコ代表だ。野球のイメージが薄いヨーロッパの小国の選手たちが、大谷翔平投手をはじめとした侍ジャパンの面々と交流を深める姿がSNSを通じて続々と発信された。今夏、そのチェコのトップリーグ「エクストラリーガ」に飛び込んだ市毛孝宗投手が帰国。「THE ANSWER」のインタビューに応じ、日本との“文化”の違いについて語ってくれた。 （取材・文＝THE ANSWER編集部　羽鳥　慶太）

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　市毛は、チェコ中部のお城で有名な街フルボカーにある「ソコル・フルボカー」で主に先発投手として活躍。6チームで争うプレーオフ進出はならなかったものの、若いチームでコーチ役も務めた。行く前は「全くイメージできなかった」というチェコでの生活は、どんなものだったのだろうか。

「皆すごくフレンドリーというか、ファンと選手の間が近いんですよ。日本の独立リーグ以上です。試合が終わったら、ファンがグラウンドにどんどん入ってきて……。話しかけてきたり、サインを求められたり。楽しかったですよ」

　日本とチェコでは、スポーツの社会的な立ち位置も大きく違った。チームメートで、チェコ代表の主力でもあるマルティン・ムジークが街中を歩いていると、皆に応援の声をかけられていた。チェコ語はあいさつくらいしか覚えられなかったという市毛も「スポーツやってるの？　と聞かれたりしましたね」。フルボカーの街にはチェコの国技・アイスホッケーをはじめサッカーや女子ソフトボールのクラブチームもあった。それぞれがジュニアのチームを抱え、キャリアを積んでいく仕組みができていた。

　首都のプラハや、チェコ国内で野球どころとされる東部のブルノで行われる試合では、スタンドの盛り上がりも想像以上だった。日本からの選手がいることを知った在留邦人も応援に訪れ、駐チェコの鈴木秀生大使の訪問まで受ける有名人となった。「大使からも、秘書の方からも連絡を頂いて、プラハの日本食レストランとかを教えてくださいました。すごくありがたかったです」。