知られざるチェコ野球に飛び込んだ日本人投手 スマホ駆使して17歳捕手に伝えた「日本野球」
今年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本でも話題を集めたのが野球のチェコ代表だ。大谷翔平投手から三振を奪った後の喜びようや、佐々木朗希投手から死球を受けた後の交流がSNS上で注目された。ただ、チェコの選手が普段どんな野球をしているのか知る日本人はほとんどいない。昨季までBCリーグの茨城に在籍した市毛孝宗投手はこの夏、チェコのトップリーグ「エクストラリーガ」に飛び込んで1シーズンプレーし、肌で体感してきた。帰国すると「THE ANSWER」のインタビューに応じ、その実像を3回にわたって語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥 慶太)
元BC茨城の市毛孝宗が見た「チェコ野球」の世界
今年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本でも話題を集めたのが野球のチェコ代表だ。大谷翔平投手から三振を奪った後の喜びようや、佐々木朗希投手から死球を受けた後の交流がSNS上で注目された。ただ、チェコの選手が普段どんな野球をしているのか知る日本人はほとんどいない。昨季までBCリーグの茨城に在籍した市毛孝宗投手はこの夏、チェコのトップリーグ「エクストラリーガ」に飛び込んで1シーズンプレーし、肌で体感してきた。帰国すると「THE ANSWER」のインタビューに応じ、その実像を3回にわたって語ってくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥 慶太)
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チェコで盛んなスポーツといえば、1998年の長野五輪で金メダルを獲得したアイスホッケー。次いでサッカーだ。市毛がそんな国の野球に飛び込むきっかけは、ひょんな縁にあった。昨年いっぱいで茨城を退団し、豪州のウインターリーグ「ABL」のシドニー・ブルーソックスでプレーすると、海外野球への道が一気に開けた。知られていないが、チェコと豪州には野球での交流があり、選手の行き来も盛んだ。
豪州リーグは年が明けてすぐに終わる。市毛の元にチェコからの誘いが舞い込んだのはその後すぐ、1月中旬のことだった。当時、まだ日本でチェコの野球は全く話題になっていなかったが、ほぼ即決で移籍を決めたという。
「どんな野球をしているのかは全くわかりませんでしたが、代表がWBCに出ると聞いたのでレベルは高いのかなと思いました。いろいろな国の野球を経験できたらと思っていたので、あまり迷わなかったですね。米国でできればもちろんいいんでしょうけど、欧州で野球をするのもそう簡単なことではないので」
出発する直前、代表の東京ドームでのプレーが話題になり始めた。大会期間中に出国し、チェコで日本とアメリカの決勝戦を見た。すぐにイタリアでのキャンプに向かい、3月末の開幕に向けて準備を進めた。