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オリンピックの追加競技の歴史と深層 復活する野球、現状なら28年ロス五輪で完全に終わる可能性

現状では再び米国か東アジアで開催されない限り五輪で野球は見られない

 ロス大会で追加競技になったクリケットにもIOCの強い意向がみえる。米国で盛んというわけではないが、世界的にはインド、パキスタンなど英連邦諸国を中心に超人気競技。競技人口やテレビ視聴者数はサッカーに次ぐといわれる。五輪人気獲得を目指すIOCが、これほどのコンテンツを見逃すはずもない。サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングがロス大会から正式競技に昇格したように、クリケットもいずれ格上げされそうだ。

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 追加競技を「開催都市型」と「IOC型」に分ければ、野球は間違いなく開催都市に依存する部分が大きい。過去野球が盛んな米国と東アジアで行われた8大会のうち、7大会で野球が行われている(2大会は正式競技)。ただ、欧州やアフリカでの普及が遅れ、注目度も低い。それが、正式競技からの除外される理由の1つになった。

 今のままでは、再び米国か東アジアで開催されない限り、五輪で野球を見ることはできないだろう。次々と新しい競技が加わって五輪が飽和状態にあるだけに、ロス大会を最後に100年以上続く関係が完全に切れる可能性もある。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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