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敗北は「プロセスの全否定」じゃない ラグビー日本代表が未来に託した「目標はW杯優勝」の遺産

ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会を終え、日本代表は未来に何を残したのか。8日の1次リーグ(L)最終戦(ナント)でアルゼンチンに27-39で敗れ、海外開催初&2大会連続の決勝トーナメント(T)進出はならず。「W杯優勝」を目標に掲げた侍たち。海外出身選手も多いチームは一つになるため、言葉と志を共有してきた。彼らのプロセスは着実に次へと繋がっている。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

W杯敗退が決まった姫野和樹(中央右)ら日本代表【写真:ロイター】
W杯敗退が決まった姫野和樹(中央右)ら日本代表【写真:ロイター】

ラグビーW杯

 ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会を終え、日本代表は未来に何を残したのか。8日の1次リーグ(L)最終戦(ナント)でアルゼンチンに27-39で敗れ、海外開催初&2大会連続の決勝トーナメント(T)進出はならず。「W杯優勝」を目標に掲げた侍たち。海外出身選手も多いチームは一つになるため、言葉と志を共有してきた。彼らのプロセスは着実に次へと繋がっている。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 最後の1秒まで、諦めきれなかった。残り2分で12点差。日本より圧倒的に多いアルゼンチンファンは勝利を確信していた。白と水色の国旗を揺らし、チャントの大合唱。敗戦の笛が目前に迫っても、桜のジャージはタックルに向かった。

 前回大会の8強を超えるため、立てた目標は「優勝」。夢は遠く、途中交代した稲垣啓太はベンチからノーサイドを見届けた。いつも表情を変えない“笑わない男”の悔し泣き。立ち上がれない選手もいる。主将の姫野和樹は一人ひとりとハグを交わし、最後の円陣で感謝を込めた。

「胸を張って帰ろう」

 日本ラグビーを未来に繋ぐ闘いでもあった。試合2日前、稲垣は語気を強めていた。

「間違いなく言えるのは、このアルゼンチン戦に勝って2大会連続で決勝Tに進むことは、日本ラグビーが一貫性を持って準備してきたことが結果として表れるということ。凄く大きな意味を持つ試合」

 W杯は2011年までの7大会で1勝21敗2分け。ニュージーランドに145失点の屈辱的大敗を味わったこともある。ラグビーファン以外はW杯をやっていることすら知らない人もいた時代を経て、15年に強豪・南アフリカを倒す歴史的番狂わせで3勝1敗。19年の日本大会は4戦全勝で初の8強入りを果たし、流行語大賞にもなった「ONE TEAM」で一大ラグビーブームを巻き起こした。

 しかし、ブームは時が経つにつれて下火になっていくもの。結果を残し続けなければならない。海外出身選手と同じチームで交ざり合うラグビー。日本は事あるごとにキーワードをつくり、結束力を醸成してきた。

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