【アジア大会ライター取材日記】男子マイルリレーの裏で起きた、選手同士の応援合戦
大会も終盤に突入したアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。12日目は陸上最終日を取材。男子400メートルリレー金メダルで盛り上がったが、銅メダルを獲得した最終種目の男子1600メートルリレーの裏で繰り広げられた選手同士の応援合戦とは――。
ミックスゾーンで日本とインドの選手から大歓声
大会も終盤に突入したアジア大会。「THE ANSWER」では現地で取材するライター・平野貴也氏による取材日記を展開する。12日目は陸上最終日を取材。男子400メートルリレー金メダルで盛り上がったが、銅メダルを獲得した最終種目の男子1600メートルリレーの裏で繰り広げられた選手同士の応援合戦とは――。
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取材12日目を迎えました。私が取材を行うのも今日(30日)を含めて、あと3日となりました。大会も、多くの競技が日程の終了を迎えています。30日は、陸上競技の最終日でした。山縣亮太選手(セイコー)、多田修平選手(関学大)、桐生祥秀選手(日本生命)、ケンブリッジ飛鳥選手(ナイキ)が出場した男子400メートルリレーの金メダルは、日本でも大きく報じられたのではないでしょうか。最終日は、リレー三昧のスケジュール。日本は女子400メートルリレーで5位、男子400メートルリレーの後も、女子1600メートルリレーが行われて5位でした。そして、陸上競技の最終種目として行われたのが、男子1600メートルリレーで、日本は銅メダルを獲得しました。
さて、その瞬間を私はミックスゾーンと呼ばれる取材エリアのモニターで見ていました。せっかく現場に行っているのだから、スタンドから自分の目で見て体感したいところですが、立て続けに選手の話を聞いていると、ミックスゾーンとスタンドの往復は時間的に難しくなります。選手も取材を受けていると、次のレースを見ることはできません。
男子1600メートルリレーのレース開始直前に取材を受けていたのは、日本の女子1600メートルリレーを終えた選手たちでした。彼女たちは取材が終わると、そのままモニターに釘付けになりました。前を遮る記者にスペースを空けてもらって画面を見ようとすると、別の角度からも同様の声が上がりました。同種目を優勝したインドの選手たちでした。
レースが始まると、日本は1走のウォルシュ・ジュリアン選手(東洋大)が2位でバトンパス。2走の小池祐貴選手(ANA)も力走で順位を落とさずにバトンをつなぎました。優勝候補のカタールが1位を走り、2位の日本をバーレーンとインドが追いかける展開です。取材エリアが一瞬、ものすごい声援に包まれました。日本もインドも女子選手が興奮して声を上げて応援を始めたからです。マイルリレーは、ゴールまで3分以上かかるので、盛り上がってから長くゾクゾク感が続く楽しみがあります。