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リレー日本、東京五輪は誰が走る? 厚みを帯びた選手層 アジア制覇に見た収穫

厚みを帯びた選手層、今後は小池、飯塚、サニブラウンらも起用候補に

 もう1つは、2走の多田が序盤で加速しきれなかったところだ。バトンを受ける場面で第5レーンの多田が外側に膨らみ、第6レーンの台湾の選手が内側に寄った。多田は「個人的には、外のレーン(の台湾の選手に内側)に詰められたりしたので、走りには満足していない。そこをいければ、もうちょっとタイムを伸ばせたと思うので、変えていきたい。バトンパスは、受けも渡しも結構詰まった感じがあったので、そこを改善できれば37秒台も見えたのかなと思った」と課題と修正のイメージを話した。

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 順位とタイム。2つの目標のうち後者は達成できなかった。それでも、2016年のリオ五輪(山縣、飯塚翔太=ミズノ、桐生、ケンブリッジ)や昨年に銅メダルを獲得した世界選手権(多田、飯塚、桐生、藤光謙司=ゼンリン)とは異なるオーダーで結果を出せたことは、一つの収穫だ。日本代表の土江寛裕コーチは「バリエーションが少しずつ増やせているのかなと思う」と話し、今回のメンバーのほかに、男子200メートルで金メダルを獲得した小池祐貴(ANA)、リオ五輪銀のメンバーで今回は1600メートルリレーのメンバーに起用した飯塚、さらに昨年の日本選手権で100メートル、200メートルの2冠を飾ったサニブラウン・ハキーム(フロリダ大)を今後の起用候補に挙げた。さらに「非常に選手が豊富な中で、どういったオーダーが想定できるのか。それぞれが経験値を積んでいくことが大切なので、そういう機会を増やしたい。これまでは、五輪や世界選手権の予選で38秒20を切ると、決勝に残るイメージだった。でも、それくらいのタイムは、もういつでも出せて、チューンナップしていけば、37秒の真ん中あたりを現実的に狙って行ける。そういう自信が持てたかなと思う」と厚みを帯びた選手層で日本がリオ五輪で記録した37秒60のアジア記録を更新する手ごたえを語った。

 今後の課題に挙げたのは、もちろん個々の成長だ。個人種目では山縣が10秒00で銅メダルを獲得したのが最高。9秒台の自己記録を持つのも、桐生ただ一人だ。土江コーチは「(東京五輪の400メートルリレーは)金メダルが目標ですから、そうなると37秒50は少なくとも切らなくちゃいけない。そうなったときに何が求められるかというと、個人のパフォーマンスがすごく重要。個人で蘇炳添のクラスの選手が複数人、出てくれないと難しい」と話した。蘇炳添は中国のエースで、今大会でも個人の100メートルで9秒92の大会記録をたたき出して優勝している。ジャマイカや米国を抑えて世界一に輝くためには、個人でアジア王者の位置を狙える選手が複数出て来なければならない。20年ぶりに制したアジア大会は、夢への軌跡を描き、足りないものを明確化するという意味で大きな収穫の場となった。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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