【アジア大会ライター取材日記】現地ファンが教えてくれたスポーツの本来の楽しみ方
日本の若手選手のオーバーアクションに現地は大盛り上がり
そして、次第に日本の応援が大きくなっていったのは、若手の堀江友裕選手(早稲田大学)がオーバーアクションで観衆を盛り上げて続けていたことが大きかったように感じました。リベロの控えという役回り。出場時間が得られず悔しい思いも抱えていましたが「少しでもコートの中の選手が良いプレーをできるようにということの一つが、会場を味方にすること。特に盛り上げようと思ったわけではなく、少しでもチームに貢献しようと思っただけ」と話してくれました。彼の行動や、相手選手のアクションのおかげで、観客は盛り上がりを欠くことがありませんでした。
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説明するまでもないと思いますが、会場の雰囲気は多かれ少なかれ、ゲームに影響を与えます。この試合が大熱戦になった一つの要因に、会場の雰囲気は含まれていると思います。スポーツは、目の前で起きる出来事を純粋に感じ取り、楽しみ合うことが魅力なのだとあらためて気付かされます。
もちろん、知識があればより面白いですし、応援するチームや選手があればより興奮しますし、一緒に見る人がいればより楽しいです。ただ「そうでなければならない」ことは、ありません。コアなファンとライト層に感覚の違いはありますが、ファンとファン、選手とファン、運営とファンが楽しみ合う。そのためのアクションを恐れずに表現し、他者のそれを受け入れる楽しみ方を覚える。東京五輪まで2年、日本でもそんなスポーツの楽しみ方が増えるといいなと思います。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)