【アジア大会ライター取材日記】インドネシアの国技の底力 響いた「ヤァ」「ブゥ」
山口茜「相手のスタイルに、会場の応援が合っていて、勢いが増した」
1日目、2日目の取材日記にも書いたとおり、アジア大会は競技によって重要度が違います。バドミントンは、中国をはじめとするアジア勢が強く、五輪や世界選手権より権威は落ちますが、競技大会としては世界トップレベルで、各国フルメンバー。山口選手の相手も格下とはいえ、2017年の世界ジュニア選手権を優勝し、19歳で世界ランク22位と可能性を秘めた選手です。ちょっとしたきっかけがあれば、実力差を埋めることは可能なレベルです。山口選手は「相手は、ラリー勝負より、キレのあるショットやパワーが武器で、勢いで勝負するスタイル。相手のスタイルに、会場の応援が合っていて、勢いが増したのかなと思います」と悔しい一戦を振り返りました。ただ、日本の総合力は高く、その後は連勝し、3-1の逆転勝ちで決勝進出を決めました。ナイトゲームだった男子も、昼の倍ほどに膨れ上がった相手の大声援に苦戦、こちらは1-3で敗れてしまいました。22日の決勝で、女子は、1970年のバンコク大会以来48年ぶり3度目の優勝を狙います。
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それにしても、交通整理のようにホイッスルがけたたましく鳴り響き、大歓声を送るインドネシアの観衆が生み出す雰囲気は、別格でした。同じ競技でも違う国で見ると、異なる光景が広がっているものです。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)