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守った母との約束「大学には行く」 筑波大進学で両立を実現、なでしこ熊谷紗希は足跡を自信に

熊谷は新天地への期待に胸を膨らませた【写真:近藤俊哉】
熊谷は新天地への期待に胸を膨らませた【写真:近藤俊哉】

来季はイタリア・セリエAへ「楽しみでしかない。どこでも生きていける」

 新たな世界を間近で感じ、なでしこジャパンが世界一となった2011年FIFA女子ワールドカップ後に日常を海外へ移す。ドイツの1.FFCフランクフルト(現・アイントラハト・フランクフルト)で2年間、フランスのリヨンで8年間、再びドイツに戻ってバイエルン・ミュンヘンで2年間と欧州クラブを渡り歩いた。

 来季からはイタリア・セリエAのASローマへ。ドイツ語やフランス語は日常会話も含めて不自由ないレベルだが、イタリア語はまったくの未経験。それでも「楽しみでしかない。どこでも生きていけると思っていますから」と満面の笑みだ。

 これまでに数々の進路選択、そして決断を正解に変えてきた。次のステージでも、熊谷は外国人として扱われる。期待値の高さは、そのまま責任やプレッシャーの大きさと比例する。

「海外では自分が外国人になるわけで、その立場で居場所を掴むのは簡単ではない。先が読めないし、起こることすべてが『NEW』なので、そういった意味で最初は絶対にストレスを感じることもあると思います。その中でも、いち早く自分が生きる術を見つけなければならない。自分に何ができて、何ができないのかは分かっています。どうすればこのグループの中で必要とされるかを考えて、行動する。それが認めてもらうための一番の近道だと思っています」

 足跡すべてが経験となり、自信になっている。日本の女子サッカー界を牽引する選手は、これからも逞しく歩んでいく。

(藤井雅彦 / Masahiko Fujii)

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