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三笘薫と久保建英に共通する資質とは? 敗北を許さぬ言動、スター性の裏にある不屈の精神

スペインサッカーに精通し、数々のトップアスリートの生き様を描いてきたスポーツライターの小宮良之氏が、「育成論」をテーマにしたコラムを「THE ANSWER」に寄稿。世界で“差を生む”サッカー選手は、どんな指導環境や文化的背景から生まれてくるのか。今回は現在の日本サッカーのシンボルとも言える2人の選手を例に、世界を舞台に戦う上で持つべき内面の強さについて持論を展開した。

人気抜群の三笘薫(左)と久保建英、2人に共通する資質とは何か【写真:Getty Images】
人気抜群の三笘薫(左)と久保建英、2人に共通する資質とは何か【写真:Getty Images】

連載「世界で“差を生む”サッカー育成論」:スター性を支える不屈の精神

 スペインサッカーに精通し、数々のトップアスリートの生き様を描いてきたスポーツライターの小宮良之氏が、「育成論」をテーマにしたコラムを「THE ANSWER」に寄稿。世界で“差を生む”サッカー選手は、どんな指導環境や文化的背景から生まれてくるのか。今回は現在の日本サッカーのシンボルとも言える2人の選手を例に、世界を舞台に戦う上で持つべき内面の強さについて持論を展開した。

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 三笘薫(26歳/ブライトン)、久保建英(21歳/レアル・ソシエダ)の2人は、現在の日本サッカーを引っ張っている。

 単純に、人気抜群である。サッカーに関するウェブ記事では、彼らの記事が圧倒的に読まれる。雑誌の特集でも、テレビニュースの企画でも、彼らが表紙を飾り、トップに報じられる。団子になった後続を引き離す求心力だ。

 彼らのようになりたい、彼らのようになりたかった、という憧れの存在なのだろう。とにかく好悪の対象であり、ファンだけでなくアンチも含め、幅広く注目される。それはスター性に直結するだろう。

 では、2人に共通する資質とは何か?

 2人のようになるには、一朝一夕ではいかない。彼らは才能に恵まれ、それを研磨してきた。それぞれの人が持って生まれた天運があって、それに従って物事に向き合うしかないのだ。

 とは言え、運は拾うものでもある。

「ゴミは人が落とした運。ゴミを拾うことで運を拾う」

 今や野球界を飛び越えて、社会的な英雄となっている大谷翔平は、高校時代に恩師から言われた戒めをマンダラチャートに記し、成長を遂げたという。他にも「あいさつ」「部屋そうじ」「道具を大切に使う」「審判さんへの態度」「本を読む」「応援される人間になる」「プラス思考」を守り、「運」を勝ち取ってきた。その行動規範が根っこになり、泰然自若の風体をつかみ取ったとも言えるが……。

 同じことをしても、「世界を轟かす二刀流になれる」わけではない。

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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