【パンパシ水泳】「乗り越えられない試練は与えない」 かつての天才・渡部香生子が歩く復活への道
8月9日に開幕するパンパシ水泳(4日間・東京、テレビ朝日系列で中継)の注目選手22人を毎日紹介する「THE ANSWER」の「パンパシ水泳カウントダウン連載」。開幕まであと3日。第19回は女子平泳ぎの渡部香生子(早大)。前回大会の金メダリストで、翌2015年の世界水泳も制した元女王。どん底から復活し、再び世界の頂点に挑む。
「あと3日!パンパシ水泳カウントダウン連載」―どん底から復活、再び世界の頂点へ
8月9日に開幕するパンパシ水泳(4日間・東京、テレビ朝日系列で中継)の注目選手22人を毎日紹介する「THE ANSWER」の「パンパシ水泳カウントダウン連載」。開幕まであと3日。第19回は女子平泳ぎの渡部香生子(早大)。前回大会の金メダリストで、翌2015年の世界水泳も制した元女王。どん底から復活し、再び世界の頂点に挑む。
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スランプを抜けて、渡部が再び表舞台に帰ってきた。4月の日本選手権。100m平泳ぎで結果を残せず、気持ちが切れかけたというが、「ここで諦めたら頑張りがすべて無駄になる」と切り替えた。200m平泳ぎで2位に入り、パンパシ水泳の出場権を見事掴み取った。
「本当に無事入ることができてうれしかったです。最後まで頑張って良かったです」
中学時代から脚光を浴びた天才スイマー。15歳でロンドン五輪に出場。2015年の世界水泳では、200m平泳ぎで世界記録保持者を破って優勝。しかし金メダルを期待された、16年のリオ五輪では準決勝13位で決勝に進めず、号泣した。今、あの大会を改めて振り返った。
「その前のロンドンの時は何もわからずに、一瞬で終わってしまったという感じだったんです。リオも気づいたら終わっていたんですけど、それはロンドンとは違った。重圧みたいなのが知らず知らずのうちに、感じてしまっていた。オリンピックという舞台で自分の納得できるレースをできなかったので、納得ができないまま終わったというのが一番悔しかったなと思います」
スランプが続いた時期には、水泳をやめようとさえ思ったという。
「正直、本当に辞めようと思った。それくらい泳ぎたくないっていうのが、オリンピックの後はそういう気持ちが強くありました。でもよくよく考えてみたら、ここで辞めたら楽になるのかなとか、でもやりきれていないのに辞めるというのは、逃げているだけ。できていないことがたくさんありました。まずは嫌いになっていた水泳を、もう一度好きになろうと考えました」
昨年は怪我の影響もあって、連覇のかかっていた世界水泳の代表から落選。それでもある言葉を胸に、ぎりぎりで踏みとどまった。
「絶対に世界水泳に出たいという気持ちではなくて、怪我もあったので運よく入れればラッキーという気持ちでした。悔しい気持ちもあったんですけど、それまでみたいにマイナスに考えるのはやめて、『神様は乗り越えられない試練は与えない』ってすごい自分に言い聞かせていた。終わったことは仕方なかったので、その時は落ち込んだとかはなかったかなと思います」