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フィギュア15歳中井亜美、中1で「新潟→千葉」拠点変更を決断 飽くなき向上心を支える家族の力

自らの意思で決めたMFアカデミーへの加入

 その時、知ったのが「MFフィギュアスケートアカデミー」の存在だった。選手の育成と生涯スポーツとしての普及の2つを目的とするアカデミーだ。

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 2020年12月に千葉県船橋市にオープンした「三井不動産アイスパーク船橋」を拠点とし、福岡で指導にあたっていた中庭健介氏をヘッドコーチに迎えて2021年4月の開講を予定していた。

 それがきっかけとなった。

「上手な選手が集まってくると思ったので、一緒に練習してもっと頑張ろう、という風になれたらいいなと思いました」

 一方、中庭ヘッドコーチは、選手としてのスケーター中井については認知していた。

「有名な選手だったので、もちろん知っていました。全国大会などで見ていて、将来楽しみな『凄い選手がたくさんいる』と感じていた世代の中の1人が中井さんでしたから」

 ただ、勧誘など働きかけたわけではなかった。

「チームとして存続していくには人がいなければならないのでホームページに案内を掲載したりしましたが、どのような人が来るのか分かりませんでした。中井さんが入校を希望していたことも全然知らなかったです。小学生から中学生に上がる時期で移りやすいタイミングであったことも、決断につながったのだと思います」

 そしてMFアカデミーに加わることになった。中井は他の誰でもなく、自らそれを決めたと言う。

 中学進学とともに千葉県に移り住み、MFアカデミーの1人としてスケートに励んできたが、それを実現するのは決して簡単なことではなかった。

 中井は父母、姉の4人家族だったが、現在、母とともに千葉県に暮らし、父と姉は新潟市内にそのまま残り生活を送っている。2つの家庭に分かれることで、当然、さまざまな負担もかかる。

「自分とお母さんとでこちらに来るのは、やっぱりお金もかかりますし、すごく申し訳ないという思いもありました。もちろん、寂しいという思いもありました」

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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