女子ゴルフ双子V・岩井姉妹を支えた「地元練習場」の62歳 小3から知る2人の「優勝争い」を予言
女子ゴルフのKKT杯バンテリンレディスオープン(熊本空港CC)は16日、20歳・岩井明愛のツアー初優勝で幕を閉じた。昨季は妹の岩井千怜(ともにHonda)が2勝しており、男女を通じて史上初の双子によるレギュラーツアーVを果たした。2人を小学3年から指導してきた62歳の永井哲二コーチは、1つの壁を突破した明愛がさらに強くなること、姉妹での優勝争いが近い将来に現実となることを予測した。(取材・文=柳田 通斉)
姉妹を小3から指導の62歳永井哲二さんが証言
女子ゴルフのKKT杯バンテリンレディスオープン(熊本空港CC)は16日、20歳・岩井明愛のツアー初優勝で幕を閉じた。昨季は妹の岩井千怜(ともにHonda)が2勝しており、男女を通じて史上初の双子によるレギュラーツアーVを果たした。2人を小学3年から指導してきた62歳の永井哲二コーチは、1つの壁を突破した明愛がさらに強くなること、姉妹での優勝争いが近い将来に現実となることを予測した。(取材・文=柳田 通斉)
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明愛が優勝を決めた瞬間、永井さんは熊本から約1200キロ離れた埼玉・毛呂山町にいた。インストラクターとしていつも通り、練習場のリンクスゴルフクラブでレッスンを開いていた。
「今日は7人にレッスンをしていたのですが、みんながあきちゃん(明愛)のことを気にして、スマホに届く実況のコメントや映像を見ては報告し合っていました(笑)。とにかく優勝できて良かったです。心からうれしいですし、ホッとしました」
永井さんはその後、日本テレビ系で放送された録画中継を視聴。明愛のプレー内容を確認し、あらためて成長を感じたという。
「焦っている感じが全くありませんでした。最後のアプローチもリズムが良かったですし、1打差の状況でも『優勝できる』という感覚を持っていた印象です」
ウイニングパットを決めた明愛は千怜とハグをし、ともに涙を流した。その光景を見て、永井さんは高1の時に発した千怜の言葉を思い出していた。
「あきちゃんが強くなっていったら、私は勝てないかも」
姉妹を小3から指導してきた永井さんは、早くから姉妹の可能性を感じていた。高校に入った段階で「2人ともプロになれる」と思っていたが、高1までは千怜の方が試合で結果を残していたという。
「ちーちゃん(千怜)はとにかくメンタルが強くて、初めてラウンドした時から緊張を力にできるタイプでした。その良さが今も出ています。そして、あきちゃんは運動能力が高くて、持っているものは誰にも負けない。高1まではその力を出し切れていなかったのですが、高2、高3と試合の環境に慣れてどんどん強くなっていきました。ツアー本格参戦2年目の今、その時と似た状況になってきたと感じています」