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海外スケーターが日本ファン絶賛の理由 フィギュア世界選手権で“魔法の空間”生んだ力

ペアとアイスダンスの海外選手が語った感謝の言葉

 ペアで銀メダルを獲得したアレクサ・クニエリム/ブランドン・フレージャー組(アメリカ)。フレージャーは感謝を捧げた。

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「大会やアイスショーに関係なく、観客の皆さんは本当に素晴らしいです」

 銅メダルのサラ・コンティ/ニッコロ・マチー組(イタリア)は初めての来日だった。

 マチーはこう語っている。

「素晴らしい体験になりました。演技が終わって振り向いたらスタンディングオベーションでした」

 そして続ける。

「彼女(コンティ)に『見て! 凄いね!』と思って、演技の後に声をかけました。想定外の出来事で、とても嬉しかったです」

 今大会のアイスダンスでついに金メダルを獲得したマディソン・チョック/エバン・ベイツ組(アメリカ)。チョックはリズムダンスを終えたあと、感謝を捧げた。

「何千人もの観客の皆さんに囲まれて、息を呑むような、魔法のような空間の中で演技をすることができました」

 銀メダルに輝いたシャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ組(イタリア)のファブリ(イタリア)は、こう語っている。

「すごく反応してくれて、応援、サポートしてくれて、凄いことです。コレオステップに入る時、私の目に映った2人の女性の姿は忘れられません」

 アイスダンスのフリーダンス最終グループでは、スタンディングオベーションが相次いだ。その熱気も特筆されるべきことだ。

 観客増の要因には、むろんペアなら三浦璃来・木原龍一、アイスダンスは村元哉中・高橋大輔(ともに関大KFSC)の存在があっただろう。彼らのここまでの活躍を前提とした観客増があった上で、彼らだけを応援するばかりでない光景があったことが印象深い。

 それは男女シングルにも共通する。出場する選手の国旗が打ち振られ、失敗しても励まし、素晴らしい演技には拍手で称賛が送られた。とりわけ今大会を最後にすることを明らかにしていたキーガン・メッシング(カナダ)には、長く続く拍手と、数多くの国旗が振られた。長年の功績を知るからこそでもあった。

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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