「僕もエースなんだ」 車いすの中大サッカー部員・持田温紀が実現した、創部95年で初の快挙
ピッチ外で「違う形でチームを勝たせる力になれる」
新4年生として迎える大学ラストイヤー。「日本一を目指せるサッカー部」と語る持田さんもまた、ピッチ外からチームの戦いを全力でサポートする。中大は昨年度の関東大学サッカーリーグ2部で優勝し、1部に復帰。就任2年目を迎える元JリーガーでOBの宮沢正史監督、同じくOBで元日本代表の中村憲剛氏がテクニカルアドバイザーとしてチームの強化に関わっていく。
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様々な縁があって事業本部に所属し、中大サッカー部の運営に全力で取り組んできた日々は、新4年生となる現在の持田さんに何をもたらしたのだろうか。伝統あるサッカー部の新たな道を切り拓いた“営業担当”は、夢中で駆け抜けた日々を振り返りながら最後の1年への抱負を語ってくれた。
「日本一を目指せるサッカー部で、車いすの自分が入部できるというのはあまりないと思うので、まずは感謝の気持ちでいっぱいです。一方で最初は、中大サッカー部のみんなが優しいから車いすの僕でも受け入れてくれたんだ、という周囲からの見られ方を少なからず感じていた部分もありました。だから僕は車いすであるとか関係なく、自分に能力があって結果を残せるからチームにいるんだというのを、示していかなければいけないと思い、積極的に動いてきた部分はありますし、今はそのような活動が実を結び、チームの一員になれたことがすごく嬉しく感じます。
僕自身はピッチの中でプレーすることはできないですが、違う形でチームを勝たせる力になれると思っています。僕も『チームのエースなんだ』という意識を持って、これからも取り組んでいきたいです。そしてラストイヤーなので、日本一を中大サッカー部のみんなで獲りにいくと同時に、もっともっとサッカーで影響を与えられるようなチームになっていくこと。日本一になる瞬間に、サッカー部だけじゃなく、関わったすべての人がスタジアムで笑い合える瞬間を作りたいと思います」
(THE ANSWER編集部・谷沢 直也 / Naoya Tanizawa)