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わずか2mから撮影した三原舞依の「さくら」 画像を見直し、息を呑んだ完璧な美しさ

フィギュアスケートの世界選手権は、さいたまスーパーアリーナで熱戦が展開された。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載。今回は26日に行われたエキシビション。女子で5位だった三原舞依(シスメックス)は森山直太朗の「さくら」を演じた。ピンク色の衣装に身を包み、桜の花束を手にして柔らかで伸びのあるスケーティングを披露した。

撮影位置までわずか2メートル、三原舞依は独自の世界観で観客を惹き込んだ(カメラ=SONY α1、レンズ=FE135mm F1.8GM)【写真:矢口亨】
撮影位置までわずか2メートル、三原舞依は独自の世界観で観客を惹き込んだ(カメラ=SONY α1、レンズ=FE135mm F1.8GM)【写真:矢口亨】

フォトグラファー・矢口亨のフィギュア世界選手権フォトコラム

 フィギュアスケートの世界選手権は、さいたまスーパーアリーナで熱戦が展開された。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載。今回は26日に行われたエキシビション。女子で5位だった三原舞依(シスメックス)は森山直太朗の「さくら」を演じた。ピンク色の衣装に身を包み、桜の花束を手にして柔らかで伸びのあるスケーティングを披露した。

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 三原の演技は没入感がすごい。静かで壮大な世界観に観客を一気に惹き込む。

 スポットライトに照らされた三原が正面の撮影位置に近づいてきた。その距離、わずか2メートルほど。135ミリのレンズで捉えた画像を見直して息を呑んだ。表情、桜を持つ手の優しさ、顔の角度が生み出す髪の毛の流れまでもが完璧に美しかった。

 神は細部に宿る。三原の演技の没入感を生み出しているのは、彼女のプログラムを演じることへの丁寧さだ。

 6年ぶりの世界選手権は、5位で表彰台を逃した。それでもスタンドからは三原の演技に惜しみない拍手が贈られた。丁寧さを積み重ねることは、自分の演技を見てくれる人たちに対する誠実さ。三原の気持ちはファンにしっかりと届いている。

■矢口 亨 / Toru Yaguchi

 フォトグラファー。山形県上山市生まれ。上智大を経て02年に報知新聞社入社。12年ロンドン五輪、21年東京五輪、22年北京五輪などを取材。フィギュアスケートの撮影は19年の世界選手権(埼玉)から。今年2月に退社し、フリーに転身。著書に写真集「羽生結弦2019-2020」「羽生結弦2021-2022」など。

(矢口 亨 / Toru Yaguchi)

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