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最後の世界フィギュア、引退後は消防士に転身 メッシングの代名詞ハイドロに溢れた幸せ

フィギュアスケートの世界選手権は、さいたまスーパーアリーナで熱戦が展開された。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載。今回は25日に行われた男子フリーから、今季限りでの現役引退を表明したキーガン・メッシング(カナダ)。166.41点。合計265.16点の7位で競技生活に幕を下ろした。

愛おしそうに氷に触れながらハイドロブレーディングを披露したキーガン・メッシング(カメラ=SONY α1、レンズ=FE135mm F1.8GM)【写真:矢口亨】
愛おしそうに氷に触れながらハイドロブレーディングを披露したキーガン・メッシング(カメラ=SONY α1、レンズ=FE135mm F1.8GM)【写真:矢口亨】

フォトグラファー・矢口亨のフィギュア世界選手権フォトコラム

 フィギュアスケートの世界選手権は、さいたまスーパーアリーナで熱戦が展開された。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載。今回は25日に行われた男子フリーから、今季限りでの現役引退を表明したキーガン・メッシング(カナダ)。166.41点。合計265.16点の7位で競技生活に幕を下ろした。

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 フリーの演技終盤で、メッシングは代名詞とも言えるハイドロブレーディングを披露した。

 私は咄嗟に400mmから135mmのレンズに持ち替えた。写真を見ると、愛おしそうに氷に触れながらリンクを旋回する姿が写っていた。スピンなどでミスが出たこの日の演技は、本来の出来ではなかったのかもしれない。

 でも、写真の中のメッシングの表情はその競技人生が幸せに溢れていたことを物語っていた。

 現役引退後はプロフィギュアスケーターではなく消防士に転身する予定だという。この写真が本人に届くかは分からないが、メッシングがいつかこの日を振り返る時、最後の演技を、こんな幸せそうな表情でやり切れたことを思い出してくれればいいなと思う。

■矢口 亨 / Toru Yaguchi

 フォトグラファー。山形県上山市生まれ。上智大を経て02年に報知新聞社入社。12年ロンドン五輪、21年東京五輪、22年北京五輪などを取材。フィギュアスケートの撮影は19年の世界選手権(埼玉)から。今年2月に退社し、フリーに転身。著書に写真集「羽生結弦2019-2020」「羽生結弦2021-2022」など。

(矢口 亨 / Toru Yaguchi)

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