渡辺一平は渡辺一平を超える 「東京五輪ぶっちぎり優勝」に宿る世界最速男の矜持
8月9日に開幕するパンパシ水泳(4日間・東京、テレビ朝日系列で中継)の注目選手22人を毎日紹介する「THE ANSWER」の「パンパシ水泳カウントダウン連載」。開幕まであと14日、ちょうど2週間となった第8回は男子平泳ぎの渡辺一平(早大)。200メートルの世界記録保持者は昨年末から続いた故障を“怪我の功名”に変え、世界最速の自分を超える決意を語った。
「あと14日!パンパシ水泳カウントダウン連載」―世界記録保持者が目指す“過去の自分”超え
8月9日に開幕するパンパシ水泳(4日間・東京、テレビ朝日系列で中継)の注目選手22人を毎日紹介する「THE ANSWER」の「パンパシ水泳カウントダウン連載」。開幕まであと14日、ちょうど2週間となった第8回は男子平泳ぎの渡辺一平(早大)。200メートルの世界記録保持者は昨年末から続いた故障を“怪我の功名”に変え、世界最速の自分を超える決意を語った。
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世界最速の男が、真夏の東京で“自分超え”に挑む。渡辺は世界記録保持者の誇りにかけて、小関也朱篤(ミキハウス)ら強力なライバルがひしめく200メートルで頂点を掴むつもりだ。
「リオ五輪では一番速いタイムを持っているにも関わらず、6位というとても悔しい思いをした。東京五輪では必ずぶっちぎりで優勝したい。東京で行われるパンパシは凄く大事なレースになると思う。昨年から『小関さんに夏の大会で勝つ、直接対決で勝つ』とい今年の目標に掲げている。僕の水泳人生が変わるレースになると思っているので、良いレース、良い泳ぎ、満足できる泳ぎができればと思います」
苦難を乗り越えた。4月の日本選手権。年末に右足を捻挫し、1か月プールにも入れず、練習ができない時期が続き、大会直前には左膝に違和感を発症。状態に不安を覚えながら、200メートルでは小関に次ぐ2位に入り、代表の座を射止めた。
「200メートルのレース前は凄く緊張して代表選手になれるかとか、ある程度のタイムで泳げるかとか、不安で……。タイムには満足できなかったけど、代表権を獲得できたというのは凄くホッとしました」
練習が十分に積めない中でも掴んだ代表切符。その裏では“怪我の功名”があった。昨年、懸命に練習をこなす日々を送りながら、どこか“こなすだけの練習”になっている部分があったという。そんな中で経験した故障。気付いたことがあった。
「僕はいつも年末年始の泳ぎ込みで良い練習をして、年始に良いタイムが出たりするけど、大切と思っている時期に練習ができなかった。チームメートの練習を上から見ることで、みんなが練習をどういう態度でやっているとかを感じて、今までは選手の気持ちしか分からなかったけど、上から見るマネージャーさんの目線、頑張ってほしいと思っている監督さんの気持ちも分かりながら練習をしている自分がいます」