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北島康介が語る“16年前の記憶” 感じたチームの“絆”「成長できたのかなと」

2010年パンパシフィック水泳選手権での北島康介【写真:Getty Images】
2010年パンパシフィック水泳選手権での北島康介【写真:Getty Images】

思い出深いチームの一体感「K.K」のイニシャル入りのスイムキャップで団結

 思い出深いのは、自身の棄権が決まった後のチームの団結だったという。当時のほかの代表選手たちはスイムキャップに北島康介のイニシャル「K・K」の文字を入れたのは有名な話。「北島康介の分まで」――そういう思いでレースに臨む、チームメイトの姿を見て、感じることがあった。

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「あれは正直気持ち悪かったですけどね(笑)。死んだわけじゃないですし……。ただ自分をきっかけにチームがまとまったのではないかと思います。同年代でのチーム編成で一体感が生まれていました」

「チーム力と言うか、自分を他の選手が押し上げてくれていたのを肌で感じられました。自分が前に出て、みんながついていくからというテンションになっていたところ、棄権して、みんなが悔しがってくれた。リレーにも出られなかったですしね。若い頃に、チームのみんなの期待に応えられない、申し訳ない気持ちを感じられたことで、自分が成長できたのかなと思います」

 当時まだ10代だった北島さんにとって、“チームの力”を強く感じた大会になった。

 今大会に出場するのが初めての選手も少なくない。国際大会の経験がない選手もいる。そういう選手にとっては、また一つ上のレベルで戦える“何か”をつかむための貴重な経験になると北島さんは強調する。

「良い結果が出れば、選手にとっては大きな自信になります。それが世界選手権、オリンピックで戦える自信に繋がる。だから金メダルよりも、いい記録を狙うべきだと思います。僕のころよりも、各国がこのパンパシに力を入れてきています。昔はベストメンバーではない国もありました。それが国別対抗になったことでさらに世界との距離を意識し、高め合うきっかけになるのではないかなと思います」

 若い選手にとっては、他国の強豪から吸収し、得るものが必ずあるともいう。

「トレーニング方法や試合への臨み方など、競技を見ていて他の選手から吸収できることもあります。それ以外にも、海外の強い選手と話すチャンスがあったりとか、選手同士の交流も含めてすごい楽しい大会になってくるのではないかと思います」

 北島さんのように、この大会をきっかけにオリンピックのメダルにつなげられるような存在が出てくるのか――。「アスリートホスト」として見守りながら、選手が躍動する姿を楽しみにしている。

(THE ANSWER編集部)

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