相手が体重超過しても戦った理由 ボクサー人生を考えた岩佐亮佑「僕が生き急いでいる」
岩佐「だから、試合を成立させてほしかった」
17年9月にIBF世界スーパーバンタム級王座を奪取。初防衛後の18年8月に王座を失ったが、19年12月に同級暫定王座決定戦を11回TKOで制して返り咲いた。しかし、昨年4月にWBAスーパー&IBF統一王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との王座統一戦で5回TKO負け。ストップのタイミングに対し、海外メディアやファンから「早すぎる」との声が上がるなど不完全燃焼に終わっていた。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
現役引退もよぎりながら試合1か月半後に再起を発表。今年12月に33歳になる。日本での試合は4年2か月ぶり。何としてもリングに立ちたかった。
「やっぱり悔いを残したくない。控室でチームにも言いましたけど、『もう長くない』と。今回で引退もあると考えていたし、一戦、一戦が全てだと思っていた。ウズベキスタンで(完全燃焼が)できなくて終わった。悔いだけ残さないように。打ち合う時は打ち合う、逃げないと思っていた。恐れず覚悟を決めていけた」
本人も美談にしているわけではない。何か起きれば一大事だった。危険な試合だったことは誰よりも理解している。
「スポーツのルールに則るのは大前提。ただ、それ以上に僕が生き急いでいる。1年半も試合をしていなくて、これで試合が飛んで、また体を作り直して、交渉もしないといけない。それが嫌だった。だから、試合を成立させてほしかった。むしろ、相手には逃げずにリングに上がってくれて感謝しています。例えば何も言わずに計量オーバーして、試合がなくなるのは嫌。逃げずにリングに上がってくれたことに感謝したい」
今後はフェザー級で世界王者を目指す。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)