夢が多様化する時代だからこそ伝えたい プロ野球・内川聖一が語るスポーツの魅力
プロ野球・ヤクルトの内川聖一内野手が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身のキャリアと未来について語った。首位打者と最多安打を各2度、最多安打を1度。横浜(現DeNA)、ソフトバンクとセ・パ両リーグを経験し、ソフトバンク時代は日本一7度と常勝軍団の中枢に君臨した希代のヒットメーカー。後編は、一人のプロ野球選手として想う「野球とスポーツの未来」について。野球だけでなはく、スポーツそのものの発展を願っているという内川。そのきっかけとなった出来事を明かした。(取材・文=THE ANSWER・神原 英彰)
インタビュー後編、プロ野球選手として考えるスポーツの競技選択の在り方
プロ野球・ヤクルトの内川聖一内野手が「THE ANSWER」のインタビューに応じ、自身のキャリアと未来について語った。首位打者と最多安打を各2度、最多安打を1度。横浜(現DeNA)、ソフトバンクとセ・パ両リーグを経験し、ソフトバンク時代は日本一7度と常勝軍団の中枢に君臨した希代のヒットメーカー。後編は、一人のプロ野球選手として想う「野球とスポーツの未来」について。野球だけでなはく、スポーツそのものの発展を願っているという内川。そのきっかけとなった出来事を明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
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今年40歳にして、尽きることのない好奇心と成長欲を持ち続ける内川聖一。35歳で「走り」の世界に目覚め、サッカー用スパイクで実際に試合に出たり、1月3日早朝の芦ノ湖で箱根駅伝ランナーのフォームを沿道で動画撮影したり、探求に励んできたのは前編に記した通り。
この男、いったい、どれほど興味の幅は広いのか。
「自分はスポーツ選手なので、興味が向くものはやっぱり限られます。スポーツが多いですね。サッカーも、ラグビーも、相撲も……。根本的には、野球に何をどう生かせるのかを探すのが好きです」と言い、ここからインタビューは自然と野球とスポーツの未来に向けた話に派生した。
内川の想いは、野球だけではなく、スポーツそのものの発展にある。
「どうしても日本って、子供の頃に専門競技が分かれるじゃないですか。野球、陸上、サッカー、ラグビー……。僕の場合は何かの理由で選んで野球を始めたというより、野球が(上手に)できたから野球をやってきただけ。そんな僕が今の子供たちにできることを思った時、野球人口を増やすことも大事ですが、子供たちが『こういうスポーツもあるんだ』『やってみたら、このスポーツ楽しいね』というきっかけを、スタートラインとして提示してあげられる可能性があると思っているんです」
現段階で言えば、野球選手が子供に教えるイベントといえば、野球単体の教室が一般的だ。
「選手も野球をやっている子供にさらに興味を持ってほしい想いで参加していると思いますが、僕自身は野球教室に限らなくていいんじゃないかと思います。現実に成り立つか分からないですが、野球選手がいて、陸上選手がいて、サッカー選手がいて、バレーボール選手がいて、ラグビー選手がいて……。いろんな競技の選手が集まり、子供たちに時間内でいろんな競技をやってもらう。どれが『これ楽しいな』と思えるか、それを見つける場所をイベントとして作れたらという想いは持っています」
内川が生業としている「プロ野球」は競技の歴史や普及、選手の認知度や収入などからすれば、日本スポーツで最も成功し、成熟した競技と言える。近年は野球人口の減少に危機感を持つ選手は珍しくないが、他の競技と手を組んでスポーツというジャンルの発展を考えるのは珍しいかもしれない。