日本人に愛されたカナダ記者、鬼のツイート連発の裏にあったプロ魂「日本を感じたかった」【世界陸上】
最後に聞いた「あなたにとってプロフェッショナルとは」
もちろん、会場ではツイートだけでなく、カメラの前でマイクを持って現場の様子を伝える。競技を終えた選手にもインタビュー。スポーツリポーターとして大切にしていることは「準備万端でいること。リサーチだよ。全ての情報を知っておくことだね」と力説した。気さくな答える姿には、プライドが見え隠れする。
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「何が起こっているのか、事のディティール、歴史、スタッツ、自分が報じることについて知っておかなきゃいけない。それから楽しむことだ。スポーツは喜びです。僕自身は高く飛ぶことや速く走ることについては、永遠にわからないでしょう。でも、勝つこと、負けることについてはわかります。
嬉しかったり、悲しかったりするよね。スポーツリポーターはアスリートが何を感じているのか伝えなければいけません。現場で起きていることを感じてもらうのが一番大事なんだ。細かいことを全員が理解できるわけではない。でも、どう感じるかはわかるんです。僕のレポートから、みんな何かを感じてくれる。それがスポーツリポーターとして求めているものだね」
日本人にとっては少しベタかもしれないが、最後にこんな質問をぶつけてみた。
「あなたにとってプロフェッショナルとは?」
よどみなく答えが返ってきた。
「みんなが僕を好きだと思う部分は、プロフェッショナルで、カメラの前での話し方を知っていて、生中継もできるところかなと思う。でも、僕は他の誰かになろうとはしない。カナダの人々は、僕がスポーツを愛していることを理解してくれていると思う。みんな僕のリポートに様々な意見を持っている。でも、自分は楽しみたいし、準備万端でいたいし、プロフェッショナルでもありたい。みんなが理解でき、共感できる話し方をしたいんだ。それが僕にとってのプロフェッショナルだと思うよ」
東京五輪・パラリンピックで日本を世界に伝えてくれたカナダ人リポーター。今大会も「TOKYO 2020」の刺繍が入ったキャップをいまだに被っている。「君に会えてとても嬉しいよ。これからの人生、たくさんの人に向けてずっと東京五輪のことを伝えるだろうね」。ハーロウ氏の本気のリポートは、人と人、世界を繋げてくれている。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)