日本は「すべてが素晴らしかった」 日韓W杯で来日、8大会取材の英記者が語る思い出
日本を語る英国人が増えたのが日韓W杯の最大の功績
あれから20年が過ぎ、1993年からの筆者の英国生活も30年近くを数えるが、日韓W杯を境に、日本と英国の距離は確実に縮まったと思う。
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今ではヘンリーが大好きな寿司はスーパーマーケットでも手軽に買えるし、漫画やアニメも英国の若者文化の中に自然に溶け込んだ。その背景にはやはり2002年に多くの英国人が、母国の代表チームを応援するためにユーラシア大陸を挟んで反対側にある東洋の島国を訪れ、英国とは全く違う文化や景色に“エキゾチックだ”と喜び、親切で優しい人たちとの出会いに感動し、びっくりするほど美味しい食事に舌鼓を打ったからだろう。
そして母国に帰って「本当に素晴らしいところだった。今度は一緒に行こう」と日本を語る英国人が増えたのは、まさにヘンリーが「レガシー」と語ったに相応しい、日韓W杯が遺した最大の功績である。
■ヘンリー・ウィンター / Henry Winter
1963年2月18日、英国ロンドン生まれ。英国で最も格式の高い9学校の1つに指定されるウェストミンスター・スクール卒業。エディンバラ大学卒業後、スポーツ誌の制作に1年間携わり、1986年に『インデペンデント』に入社。その後『デイリー・テレグラフ』を経て、現在は英高級紙『ザ・タイムズ』のチーフ・フットボールライターとして活躍。イスラム学者として高名なティモシー・ウィンター氏は実弟。『スカイ・スポーツ』や『BBC』の解説者としても活躍する英国サッカージャーナリストの第一人者。
(森 昌利 / Masatoshi Mori)