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注目浴びた美女アスリートにも葛藤の過去 競技から学んだ「人生そのもの」

2人にとって競技とは…「人生の一部」「人生そのもの」

 遠心力が掛かる競技のため、一定の体重をキープしなければならない。厳しい筋力トレーニングも待っている。スケートリンク外でもやらなければならないことが実に多い。
ふと立ち止まって競技と、そして自分と向き合ってみたときに、やっぱりスケートが好きなのだと気づかされた。

 ケガを負ったことに対する恐怖心はなく、両親にも「好きだから続ける」と伝えた。ソルトレイクシティ五輪では3000メートルリレーでメダルまであと一歩の4位という成績を残し、4年後のトリノ五輪にも出場した。

 勅使川原さんは競技をやめたいと思ったことが一度もなかったという。

「苦しくて成績が残らないこともありましたけど、やめたい気持ちにはならなかったですね。両親がいつもいいタイミングで『スケート、好きか』と聞いてくれて、落ち込んだりしたときにも結局は『好き』と返していました。苦しい後には楽しいことが待っているんじゃないかってずっと思っていましたし、乗り越えた分だけ結果を出すこともできましたから」

 やめたいと思ったことが何度もあった青木さん。やめたいと思ったことが一度もなかった勅使川原さん。あなたにとってシンクロとは――。青木さんが言う。

「私の人生の一部。シンクロがなかったら多分今の自分もないし、やめたいって思っていたけど一番好きだし、シンクロで自分を輝かせることができました。これからも何らかの形でシンクロに携わっていきたいと思います」

 あなたにとってスピードスケートとは――。勅使川原さんが言う。

「人生そのもの。スケートで頑張った自分がいるから、今だってどんなことにも強い気持ちを持ってチャレンジできる。スケートが自分というものをつくってくれました」

 競技を愛し、真剣に向き合ったからこそ競技にも愛された。シンクロから、スピードスケートから彼女たちは人生そのものを学んだと言えるのかもしれない。

【了】

二宮寿朗●文 text by Toshio Ninomiya
近藤俊哉●写真 Photo by Toshiya Kondo

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