「これは素人じゃなくても声が出る」 楢﨑正剛が絶賛、FC東京GK連続セーブの心理状態
スポーツ・チャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表GKとして活躍した楢﨑正剛氏は2022シーズンのJ1リーグ、4月の「月間ベストセーブ」にFC東京のGKヤクブ・スウォビィクが第9節の北海道コンサドーレ札幌戦で披露した連続シュートをセーブしたシーンを選出した。(取材・構成=藤井 雅彦)
DAZN月間表彰「4月のベストセーブ」にFC東京GKヤクブ・スウォビィクを選出
スポーツ・チャンネル「DAZN」とパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との連動企画で、元日本代表GKとして活躍した楢﨑正剛氏は2022シーズンのJ1リーグ、4月の「月間ベストセーブ」にFC東京のGKヤクブ・スウォビィクが第9節の北海道コンサドーレ札幌戦で披露した連続シュートをセーブしたシーンを選出した。(取材・構成=藤井 雅彦)
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
◇ ◇ ◇
元日本代表GK楢﨑正剛氏が4月の月間セーブに選んだのは、リーグを代表するGKの連続ファインセーブだった。
「移籍直後の時期は少なからずプレッシャーを感じるもの。周囲に気を遣い過ぎて本来の力を発揮できない選手もいます。チームメイトとの信頼関係を築くためには時間が必要ですが、彼は高いレベルのパフォーマンスでチームの一員として認められていると思います。序盤戦のインパクトでみんなの心を掴んでいますし、プレーで納得させることができるのは能力の高さに他なりません」
彼とは、FC東京のGKヤクブ・スウォビィクだ。
今シーズン、ベガルタ仙台からFC東京に移籍加入したポーランド人はここまでリーグ戦全11試合(※5月6日時点)に先発フル出場。圧倒的なシュートストップでチームの窮地を救い、すでに確固たる地位を築き上げている。
楢﨑氏がベストセーブに選んだのは4月16日に行われた北海道コンサドーレ札幌戦での78分のシーンだ。
札幌の右CKを合わせたのは絶賛売り出し中のFW中島大嘉。この打点の高いヘディングシュートを右手一本で弾いたスウォビィクはすぐさまセカンドアクションへ。こぼれ球に鋭く反応したMF荒野拓馬のシュートもストップし、絶体絶命のピンチを防いだ。
素人なら思わず声を上げてしまうようなビッグプレーに楢﨑氏が「これは素人じゃなくても声が出ますよ」と笑って前置きした上で、具体的な動作と心理状態を紐解いてくれた。
「まず1本目のシュートはGKが正しく動いたセービングです。188cmの長身選手が打点の高い位置から放ったヘディングシュートで、しかも下に叩きつけるような軌道でした。GKとしては、立っている体勢から素早く体を倒してセービングする動作は簡単ではありません。言葉にするのは簡単ですが、それをしっかりできているのは基本技術の高さです」
荒野のシュートを止めたセカンドアクションについては「2本目に関しては、このプレーしかなかった」と絶賛する。
「最初のシュートを防いで、セカンドボールへのリカバリーも早かった。ただ次のシュートに対して起き上がる時間はないとすぐに理解したのでしょう。そうなったら体をできるだけ大きく見せて防ぐしかありません。だからGKができる精いっぱいのプレーで、0コンマ何秒の世界で最善を尽くしたセービングです。それから後ろ側に腕を伸ばしていたらボールがゴールラインを割っていた可能性もあるので、自身の位置を正確に把握しながらプレーしていることも大きなポイントです」