国境を越えて虜にする大谷翔平の人間性 “自称No.1”エ軍ファンが球場で目撃した行動
米大リーグで5年目のシーズンを送るエンゼルス・大谷翔平投手は、野球の常識を覆す投打二刀流で地位を確立。礼儀正しく、少年のようにプレーを楽しむ姿は、日米の野球ファンのみならず、老若男女を魅了する。なぜ、この男はそれほどまでに愛されるのか。「THE ANSWER」の連載「人間・大谷翔平の肖像」はシーズン中、さまざまな立場から背番号17を語る記事を掲載。実力だけじゃない魅力を紐解き、大谷のようなトップアスリートを目指すジュニア世代の成長のヒントも探る。
連載「人間・大谷翔平の肖像」第2回は海外ファン 本拠地試合に毎試合足を運ぶ米国人男性
米大リーグで5年目のシーズンを送るエンゼルス・大谷翔平投手は、野球の常識を覆す投打二刀流で地位を確立。礼儀正しく、少年のようにプレーを楽しむ姿は、日米の野球ファンのみならず、老若男女を魅了する。なぜ、この男はそれほどまでに愛されるのか。「THE ANSWER」の連載「人間・大谷翔平の肖像」はシーズン中、さまざまな立場から背番号17を語る記事を掲載。実力だけじゃない魅力を紐解き、大谷のようなトップアスリートを目指すジュニア世代の成長のヒントも探る。
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大谷に声援を送っているのは、日本人ばかりではない。第2回は、2人の海外ファンをクローズアップ。前編で紹介する1人目は、米国人男性のピート・ソトさんだ。9歳からエンゼルス一筋。エンゼルスタジアムでの試合は、毎試合欠かさず球場で観戦するという熱狂的ファンだ。これまで多くの選手を応援してきたが、大谷が特別な選手であると気付いた瞬間や、実際に球場で見るからこそ感じる魅力について語ってもらった。(取材・文=THE ANSWER編集部・和田 秀太郎)
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取材の候補日を7日ほど設定した。しかし、インタビュー可能と返答があったのは1日のみ。それはエンゼルスが移動日で試合のない日だった。
24歳のソトさんは9歳からエンゼルス一途。子供の頃はエンゼルスタジアムから徒歩5分の場所に住み、「エンゼルスは俺の命」「自分より熱狂的なファンに会ったことがない」とまで語る。本業はカメラマンで、プライベートで訪れた今季のアリゾナキャンプでは選手の撮影を楽しんだ。「朝起きてから夜寝るまでエンゼルスに時間を使っている」といい、今まで費やしてきた金額を聞くと「数えきれないくらいだ。ショウヘイ・オオタニの契約金と同じくらいかな」と冗談半分に笑った。
本拠地は毎試合観戦。2010年にエンゼルスに在籍した松井秀喜氏のサヨナラ安打も目撃した。「あれはアスレチックス戦だったよね」と記憶も確か。そんな愛するチームに2017年オフ、二刀流の看板を引っ提げて1人の日本人「Shohei Ohtani」がやってきた。
当時、複数球団が獲得に動いた23歳の若武者が、挑戦の地に選んだのがアナハイム。その時の心境を「驚いたよ。衝撃的だった。エンゼルスに入るとは思わなかった。嬉しかった」と明かすソトさん。同時に、現代のメジャーリーグで例のない二刀流には「忙しいし、大変だから難しいと思ったよ。ベーブ・ルース以来のことだしね。1900年代初めの出来事。見たことがなかった」と懐疑的だった。
しかし、そんな疑念はすぐに晴らされた。本拠地開幕戦の第1打席で初本塁打。そして、ソトさんの心が掴まれたのは、その5日後だった。