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大坂なおみ、思い出のマイアミで復活の兆し 野次に涙したBNPパリバOP後に相談した人

セラピスト効果でメンタル面も安定

 今大会では、メンタル面が安定していたこともいい結果が出た要因だろう。約3週間前のBNPパリバ・オープン2回戦では観客から野次を飛ばされ、涙を流して敗れた。大坂はその大会後にセラピストに相談し、心のケアをした。マイアミ・オープン1回戦を突破した後の記者会見で「セラピストと話したのは昨年の全仏オープン以来。多くのことを学んだ。今までは自分で解決しようとするところがあったけど、今は何が起きてもいいように気持ちの準備ができていると感じる」と語り、今後セラピストをチームに加える考えも示した。ベンチッチ戦で第1セットを落とした後など劣勢の状況でも冷静さを保ち、突然崩れるような危うさは一度も見られなかった。

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 昨年は全仏オープンで精神的な負担を理由に記者会見を拒否したり、全米オープンで3回戦敗退した後に涙を流して休養を宣言するなどメンタル面が不安定で、ランキングも大きく後退した。マイアミでは出場した2大会続けて優勝していたシフィオンテクの勢いを押し返す力はなかったが、今季初の準優勝。「(BNPパリバから)テニスの状態がいいという感覚はあった」という手応えが結果に繋がったことは大きな収穫だった。

 昨年はランキングの目標を明言することを控えていたというが、決勝後の記者会見で世界ランキング1位への思いを聞かれると、「年末くらいまでにトップ10に入り、来年には世界1位になることを目指したい」。そう言った後に「ちょっと大きな宣言だったかもしれない。取り消してトップ5にしようかな……。いや、やっぱり1位にしよう。1位を目指したい」と自らに言い聞かせるように目標を口にする姿があった。

「もっといい結果を出したいと何かを追いかけることは自分に欠けていたもの。今の1位の選手のレベルが分かったことは収穫だし、またそこに届くかどうかを試したい」と、思いを新たに力強く再出発を切った。子どもの頃観戦に訪れていた思い出深いマイアミ・オープンが、完全復活へのきっかけとなるかもしれない。そんな期待感を残して、大坂はクレーコートのシーズンに臨む。

(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)

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