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運命を変えた「ナイス」の一声 サッカー元日本代表FWが「無敵になれた」小2の1試合

バスクのチームに受け継がれるプレーの伝統

「バスクのサッカーは、“伝統の継続”が選手にきっかけをくれる」

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 スペイン代表FWとして南アフリカW杯で世界王者の一員となったフェルナンド・ジョレンテ(現・エイバル)は、そう語っていた。バスクとはスペインの北、独自の文化、言語を持った自治州で、アスレティック・ビルバオはバスク人のみの純血主義を貫く(民族的なバスク人だけでなく、バスクでサッカー選手として育成された者も含む)。

「自分が生まれ育ったアスレティック・ビルバオは歴史のあるチームだから、“ストライカーはこうあるべき”という指標があって。自分が若い時には先輩選手から教えを受けた。マークの外し方やコンタクトでの体の合わせ方、ターンの仕方など、受け継がれたものがあってね。その伝統を守ってプレーすると、観客から励まされるような熱も伝わってくる。それによって選手のプレーが向上し、最高のサイクルなんだ」

 ジョレンテはいわゆるバスク人ではないが、バスクで生まれ、下部組織レサマで過ごし、“バスク人”としてアスレティックで活躍した。その後、ユベントス、セビージャ、スウォンジー、トッテナム、ナポリなど有力クラブに在籍したが、一時は無所属になってしまい、現在はスペイン2部エイバルでプレー。今は再起を期すために、きっかけを探しているところだ。

 プロになって日の目を見ても、自らをアップデートし続けないと明日はない。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

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小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

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