なでしこJ元同僚、ブルーインパルス整備員も… 自衛隊女子フットサル大会とは?
女性自衛官のフットサル大会をご存じだろうか。4月21、22日の両日、陸上自衛隊朝霞駐屯地の体育学校体育館において、第6回自衛隊女子フットサル大会が開催された。決勝では、海上自衛隊の呉・岩国基地チームと、航空自衛隊の入間基地チームが対戦(以下、陸上自衛隊=陸自、海上自衛隊=海自、航空自衛隊=空自)。3-1で海自呉・岩国基地が勝利、初優勝を飾った。大会は、全国の基地、駐屯地で活動する自衛隊チームの日本一決定戦だ。大会を重ねて周知されるようになり、参加選手やチームは増加傾向にある。所属する機関や部隊、階級を超えて交流できる点が評価され、海自大会、空自大会も行われるなど、隊員のスポーツ交流ツールとして様々なフットサル大会が行われている。
駐屯地で陸海空が対決、女性自衛官のフットサル日本一決定戦が開催される理由
女性自衛官のフットサル大会をご存じだろうか。4月21、22日の両日、陸上自衛隊朝霞駐屯地の体育学校体育館において、第6回自衛隊女子フットサル大会が開催された。決勝では、海上自衛隊の呉・岩国基地チームと、航空自衛隊の入間基地チームが対戦(以下、陸上自衛隊=陸自、海上自衛隊=海自、航空自衛隊=空自)。3-1で海自呉・岩国基地が勝利、初優勝を飾った。大会は、全国の基地、駐屯地で活動する自衛隊チームの日本一決定戦だ。大会を重ねて周知されるようになり、参加選手やチームは増加傾向にある。所属する機関や部隊、階級を超えて交流できる点が評価され、海自大会、空自大会も行われるなど、隊員のスポーツ交流ツールとして様々なフットサル大会が行われている。
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空自松島でプレーした大沢和恵3曹は、航空自衛隊の広告塔であるアクロバット飛行専門チーム「ブルーインパルス」で先導役となる一番機の管理、整備を担当する機付長だ。青森県にある女子高、千葉学園のサッカー部出身。空自三沢、統合市ヶ谷のチームでも自衛隊フットサル大会に参加経験がある。「入隊した頃は、まだなかったけど、大会ができて、参加チームが増えて、レベルも上がっている。みんなにとってフットサルが身近になったと感じることが嬉しい。やっているうちに、何気なく『ありがとう』とか『次、頑張って下さい』と言葉を交わして、互いに親近感が湧いてくる。全国各地に仲間ができるし、陸・海・空を超えて交流できるのは、大会の良いところ。交流は、仕事にも役立つ」と話した。
ただ、自衛隊の大会には、レクリエーションの域を超える迫力がある。今大会で優勝した海自呉・岩国をけん引したのは、小坂玲那3曹。神村学園高の女子サッカー部出身で、日本時間21日にアジアカップを連覇した「なでしこジャパン」のDF有吉佐織の元チームメート。吉備国際大時代にも全日本女子選手権に出場するなどサッカー選手としてキャリアを積んだ実力派だ。彼女たちのようなサッカー経験者は、当然、大会のレベルを引き上げるトッププレーヤーだが、サッカーやフットサルは未経験でも高い運動能力を発揮する者が少なくない。空自熊谷でプレーした八尾真美3曹は、中村女子高時代にソフトボールで全国大会に出場。ほかにも武道の有段者などが参加しており、技術レベルこそ高くないが、フィジカルやメンタルといった土台が整っている選手が多く、見応えのある勝負を展開する。激しいコンタクトプレーも珍しくない。同じ基地で働く男性のサッカー経験者が指導者役を務めている部分もあり、技術、戦術面でも年々進化を見せている。
大会は、2013年に男子が行う全国自衛隊サッカー大会の「女子の部」として始まったが、当初から人数不足のためフットサル形式で行っており、2016年から現名称に変更した。2012年のプレ大会は3チームのみの参加だったが、現在では18チーム(うち2チームは直前で辞退)が参加。交流の場として、日ごろから運動能力を高めて発揮する場として、女性自衛官の中でフットサルの輪は確実に広がっている。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)