日本ノルディック複合復活の背景 3強の壁破った結束力、24時間勤務&ほぼ相部屋の日々
銅メダル獲得につながった長期遠征で培った絆
特にこの2シーズンは新型コロナウイルスの影響で、シーズン中は一度も帰国できずにいる。1人になれる時間も空間もままならないなかで過ごしている選手たちのことを、菊池トレーナーは「半年間、24時間一緒に過ごしているので、『波風立たないようにしよう』という大人な部分もあるんじゃないかな。全員が24時間勤務みたいなものですよ。ほぼ相部屋だし」と笑うが、チームの輪を尊重する姿勢から大きなものが生み出されている。
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五輪を2年後に控えた2020年2月初めのW杯3連戦の後のこと。3強との広がる差を目の当たりにし、「五輪の団体でメダルを獲るために何をすべきか」ということを、お酒の力も借りつつ外国人スタッフを含めチーム全員で朝まで真剣に話し合いを続けたという。
その直後にコロナ禍が始まり、代表チームの活動強化など実現に至らなかったものも多かったというが、この時のチーム一丸となった結束が、北京五輪での銅メダルにつながったのは間違いないだろう。
五輪が終われば、すぐにW杯が再開する。五輪は個人、団体の3試合ともノルディック複合の面白さが存分に発揮され楽しませてくれたが、競技はもちろん、その裏にある複雑さにも注目したい。
(小林 幸帆 / Saho Kobayashi)
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