高木美帆は「100年に一度の選手」 高校から年60レース、未来が見えていた天才の凄さ
橋本聖子氏も絶賛「スピードスケートの歴史を変えていく」
日本スピードスケート界のレジェンドで、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長を務める橋本聖子氏は、今大会の開幕前に「THE ANSWER」のインタビューで、自身が1988年カルガリー大会と92年アルベールビル大会で挑んだ時と同じ5種目に出場する高木について、次のように話していた。
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「普通は短・中・長と絞っていくものです。メダルを獲るために絞るわけですよね。全部やるのは不可能だと。だけど、彼女の場合はリスクをプラスに変えて、5種目全部でメダルが獲れるので絞る必要がないんですよ。それくらい圧倒的だということです。スピードスケートの歴史を変えていくでしょうね。かつて1980年のレークプラシッド五輪でエリック・ハイデン(米国)という男子選手が5種目全部で金メダルを獲った歴史がありますけど、そのぐらいの強さだと思います」
橋本氏の言葉を証明するように、高木は北京の地で4個のメダルを獲得。すべてを滑り終わった後には「正直、体の方はもう限界がきていた」と明かしていた。12年前、帯広南商業高校の恩師・東出さんを驚かせた“天才オールラウンダー”は、限界を超えた最後のレースで悲願の金メダルを手にし、歴史に名を残すスケーターとなった。
(THE ANSWER編集部・谷沢 直也 / Naoya Tanizawa)