「被写体・羽生結弦」という魔力 北京五輪で撮影した海外写真家が感じるカリスマ性
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#82 Getty Imagesカメラマンが語るフィギュア撮影の舞台裏
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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北京五輪フィギュアスケートの男子フリーが10日に行われ、世界選手権3連覇中のネイサン・チェン(米国)が新王者となった。五輪3連覇が期待された羽生結弦は4位に終わったものの、前人未到の4回転アクセルに挑戦し、初認定。初出場の18歳・鍵山優真が銀メダルを獲得するなど、見どころ満載となった五輪の銀盤でシャッターを切り続けたのが、スポーツフォトグラファーのマシュー・ストックマンさんだ。冬季五輪の撮影は1998年から数えて7度目というベテランが、フィギュアスケートを撮り続ける理由とは――。(文=THE ANSWER編集部・佐藤 直子)
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4年ぶりに、また冬季五輪の大舞台がやってきた。コロナ禍の只中に中国・北京で行われる今回は、外部との接触を絶つ「クローズドループ」と呼ばれる空間内で開催されているが、スケートリンクまで来れば今までの大会とそう大きな違いは感じられない。オーバル型の銀盤はいつも通りキレイに整氷され、リンクサイドのカメラマン席はいつも通り底冷えがする。
4億6000万点以上の写真、ビデオ、イラストを取り扱う世界最大のデジタルコンテンツカンパニーとして、IOCの公式フォトエージェンシーを務める「Getty Images」所属のマシューさんは、これまで冬季五輪6度、夏季五輪4度の取材経験を持つ大ベテラン。「初めての五輪取材は1998年の長野だった。フィギュアスケートの撮影をしたのも、その時が初めてだったんだ」と懐かしそうに振り返る。
長野ではタラ・リピンスキーとミシェル・クワン、2人の米国代表女子選手が一騎打ちを繰り広げ、ショートプログラム1位のクワンを、リピンスキーがフリーで逆転、金メダルを手に入れた。手に汗握る真剣勝負、わずか数分の演技に全てを懸ける選手の姿に心惹かれたマシューさんは、それ以来、全米選手権、四大陸選手権、ISUZUグランプリシリーズなどに足を運び、毎冬レンズを向けている。