カナダの医療従事者が描いた羽生結弦 「春よ、来い」は「暗い時代にくれた希望です」
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#65 連載「氷の絵師たちのエール」第10回
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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フィギュアスケート界には競技への愛情を絵に込め、選手を後押しするファンが数多くいる。連載「氷の絵師たちのエール」では、そんなファンたちが描いた作品とともに、今大会に出場するスケーターなどへの想いを紹介し、フィギュア熱を広げていく。第10回は羽生結弦を描いたカナダの女性ファン「J4AN」さん。
◇ ◇ ◇
羽生結弦は先が見えない時代の光になっていた。
2020年春、世界を襲った未曾有の新型コロナウイルス禍。かつての日常は奪われ、フィギュアスケート界にも余波は波及。20年3月の世界選手権をはじめ、多くの国際大会、アイスショーが中止に。
しかし、絶対王者は輝きを失いかけた銀盤に立ち続け、「4回転アクセル」という夢を追いかけた。
「ユヅルが私の人生で暗かった時期に希望をもたらしてくれました」
こう語るのは、医療従事者のカナダ女性「J4AN」さん。描いたのは、コロナ禍にあった20年全日本選手権後の「メダリスト・オン・アイス」で演じたプログラム「春よ、来い」が始まる直前シーン。
「私はその日の夜のうちに、これを描きました。なぜなら、とても感動したからです。プログラム前の暗闇の中で彼が立つ姿は、希望と春到来の予感を感じさせました」
イラスト歴は趣味で25年以上。医療現場で働く一人として、羽生が演じたプログラムが「希望」になっていた。そして、羽生が医療従事者への感謝のメッセージを発信したのも、ちょうどこの頃。
「ユヅル、この暗い時代に希望をありがとう。あなたのおかげで奮い立てています。あの時くれたメッセージに救われました。とても大切な言葉で、頑張ることができています」
五輪3連覇を目指した今大会は4位。夢だった4回転アクセルに挑戦し、転倒したものの、国際スケート連盟公認大会で初の認定を受けた。結果以上に大切なものを与えてくれた。
「あなたのスケートを見ることができて幸せです。そして、いつの日かあなたの滑りを生で見たいと思っています」
また新たな春が近づいてくる。羽生が照らす光に希望を感じ、生きるファンは世界にもいる。
【私がフィギュアスケートを愛する理由】
「運動性と芸術性のコンビネーションが好きです。私を感動させます。なので、フィギュアスケートが好きです」(J4ANさん)
※「THE ANSWER」では北京五輪期間中、取材に協力いただいた皆さんに「私がフィギュアスケートを愛する理由」を聞き、発信しています。
(THE ANSWER編集部)