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“物議の決勝”を歴史に変えた平野歩夢 米記者が会場で見た「It’s his time.」の瞬間

体は限界に近づきながら、散り際もクールに決めたホワイト

 この日が現役最後だったショーンは試合後、平野に最上級の褒め言葉を送り続けました。そして「It’s his time.(彼の時代になった)」と、長年自身が担ってきたスノーボード界のアイコン役を平野に受け継ぎました。ショーンは引退しても、レジェンドとして輝き続けることでしょう。

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 決勝3本目のドロップインをする時、文字通り、会場にいた全員の視線がショーンの姿に注がれていました。彼はアメリカだけではなく、全世界にいるスノーボーダーたちの憧れであり、彼のパフォーマンスを見て競技を始めた選手は少なくありません。残念ながら3本目は最後まで滑りきることはできませんでしたが、全てを出し尽くしたと晴れやかな表情を浮かべるショーンに惜しみなく送られた拍手は、彼がどれほど愛され、尊敬される人物なのかを物語っています。

 それにしても、ショーンが最後の五輪で4位に入賞するパフォーマンスを見せるとは……! この健闘を予想する人は少なかったと思います。というのも、ここ最近はなかなか結果を残せず、米国代表にも何とか滑り込んだ状態だったから。長年シーンのトップを走り続けてきた絶対王者の体はボロボロでした。

 代名詞のダブルマックツイストなど大技が完成するまでは、何度も何度も失敗と練習を繰り返します。若いうちの回復は早くても、35歳ともなればなかなか体がついてこないことも多く、以前「体の状態が『よし、今日はいい滑りができるぞ』と思える日と『今日はなかなか辛いぞ』という日では、圧倒的に辛い日が増えてきたんだ」と話していました。体の調子でパフォーマンスの出来映えは大きく左右される。北京五輪への出場は決まったものの、決勝まで残れないと思っていた米国ファンも少なくありません。

 それがどうでしょう。決勝にコマを進めたばかりか、2本目で85.00点をマークして4位入賞。散り際もクールに決めてしまうあたりが、ショーンが多くのリスペクトを集め、一時代を築いた理由なのかもしれません。

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