中国の22歳女子学生が描いた羽生結弦 「天と地と」は「不安定な時代への平和と希望」
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」#43 連載「氷の絵師たちのエール」第6回
「THE ANSWER」は北京五輪期間中、選手や関係者の知られざるストーリー、競技の専門家解説や意外と知らない知識を紹介し、五輪を新たな“見方”で楽しむ「THE ANSWER的 オリンピックのミカタ」を連日掲載。注目競技の一つ、フィギュアスケートは「フィギュアを好きな人はもっと好きに、フィギュアを知らない人は初めて好きになる17日間」をコンセプトに総力特集し、競技の“今”を伝え、競技の“これから”につなげる。
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フィギュアスケート界には競技への愛情を絵に込め、選手を後押しするファンが数多くいる。連載「氷の絵師たちのエール」では、そんなファンたちが描いた作品とともに、今大会に出場するスケーターなどへの想いを紹介し、フィギュア熱を広げていく。第5回は羽生結弦を描いた中国の女性ファン「SEiKei」さん。
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ついに五輪の舞台に立った絶対王者。彼を応援していたのは日本人だけじゃない。
8日の男子ショートプログラム(SP)に登場した羽生。開幕後も姿を現さず、地元・中国のツイッター「微博(ウェイボー)」でも「羽生を探せ」がトレンドに。21番滑走で登場したこの日も演技前から「結弦はまだ?」「いつ出るの?」などの声が上がり、中国でも絶大な人気を伺わせた。
中国の女性ファン「SEiKei」さんは母国にやってきた羽生のためにペンを執った。
「ユヅルは史上最高のレジェンドです。何年にもわたって技術と芸術の限界に挑戦しています。過去に2度の五輪王者になって、3個目の金メダルを獲得する姿を見られるとするならば、それは勇気を与えてくれます」
描いたのは、今季のフリー「天と地と」のワンシーン。「『天と地と』は男子フィギュアにおける究極の芸術性と技術を持っています。それは、まるで昨今の不安定な時代への平和と希望を必要とする人たちのユヅルの発信なのです。だから、私はこのプログラムと衣装を選びました」。フィギュアスケートコスチュームデザイナー・伊藤聡美さんの世界観に感銘を受けているといい、「羽生選手のスケーティングの躍動感を表現できるようにトライしました」と心を込めた。
22歳の学生。イラストを描き始めて10年になる。羽生へ、中国からエールを送る。
「健康、そして幸せに成功できますように」。SPはミスが出て、8位と出遅れたが、絶対王者がここで心が折れることなんてないと、羽生結弦を愛する者なら誰でも知っている。
4回転アクセル挑戦が注目される10日は運命のフリー。「3個目の金メダル、いつもの努力と勇気が報われますように。未知への挑戦、頑張ってください」。地元・中国から注がれる愛が、羽生をもっと高く、美しく跳ばせてくれる。
【私がフィギュアスケートを愛する理由】
「スケーターとそのチームが見せてくれるプログラムは単なるパフォーマンスではありません。スポーツ、文化、ファッション、物語が集約されたものなのです。私はいつもそれらに魅せられています」(SEiKeiさん)
※「THE ANSWER」では北京五輪期間中、取材に協力いただいた皆さんに「私がフィギュアスケートを愛する理由」を聞き、発信しています。
(THE ANSWER編集部)